【今日の1曲】黒沢健一 – Rock’n Roll Band (2013)

当サイトの【今日の1曲】&【今週の3曲】は平成最後の日、つまりは2019年の4月30日に始めたので、本日2020年の4月29日を持ちまして、丸1年分を毎日更新したことになります。

そんな1年の締め括りの今回は、日本のポップミュージック史上でも極めて稀な「混りっ気なしの天才型音楽家」と呼んでしまって良いと思う黒沢健一(1968年8月11日 – 2016年12月5日)を、バンドL⇔R時代含めて今回で多分5回目?くらいになると思いますが、取り上げることにします。

Rock'n Roll Band / 黒沢健一
黒沢健一 – Rock’n Roll Band

2013年にリリースされたソロ通算5枚目にして生前最後のオリジナルアルバムになった『Banding Together in Dreams』に収録された「Rock’n Roll Band」。

ほんとはこの前作にあたるアルバム『Focus』(2009年作品)に収録された「Grow」が良いかなー、と思ったのですが、これ聴くとどこかに旅立ってしまいたくなるという、コロナ禍の外出自粛の昨今の事情にそぐわないのと、季節的にもちょっと違うかな。と思いこちらにしました。

で、ここのところ「才能とはなんぞや?」という話をFiona Apple(フィオナ・アップル 1977年 – )の新作を取り上げた辺りから、ちょろちょろ取り留めもなくしておりますが、端的にこの人、黒沢健一が天才じゃなきゃ誰が天才なのよ?ってくらいの人だと思います。まあ岡村靖幸も居るけれど。

この世代、大体1965年くらいから1970年くらいまでは大変才能溢れる人が多く、パッと思い付いたところで、

といった、今でも第一線で活躍する豪華な面々が名を連ねていますが、この中にあっても黒沢健一の音楽的才能は全く引けを取らないどころか、ある意味純度の高さでは傑出しているように思います。

こういう感覚的な話って説明しづらくて、超主観ではありますが、筆者が思う黒沢健一の音楽って、自意識がどうのとか、ハッタリめいていたり奇抜だったりとか、狙いすましたりだとかの山っ気や、物言いたいとか、手法がどうのとか、生活感とか、ついでにファッション的な要素だとかも希薄で、言うなれば「ただ在る」。

まるで音楽そのものが人の形を成して、一時地上に存在していたかのようです。

逆に上記の、やれ面倒臭い過剰な自意識だ、ハッタリだ、奇抜だ、狙いすましだ、物言いたいだ、手法だ、生活感だ、ファッションだ、その他諸々の要素を「不純」とするのも乱暴でつまらない話で、それらはそれらで重要で面白いことなのですが。
例えば自意識過剰過ぎることも当然ある意味で「純粋」とも言えますしね。

ただ今回はそれらの要素の希薄さを持ってしての「純度」「混じりっ気なし」としましたので、何卒ご承知おきください。

またその下世話さの無さが「売る」というところでは少し外れていってしまったのかなーという気もします。ソロ2枚目以降に関して言えば単純に宣伝力の問題だったような気もしますが。

今回ご紹介の「Rock’n Roll Band」もサラッとしていて、過剰にエモーショナルだったり、押し付けがましいところはない楽曲だと思いますが、とても良い楽曲です。
部分的に歌詞を引っ張ると、

今日も一通りが終わって
全て上手くいったじゃないか
あいつが言ってた混乱なんて
なにひとつ起こりはしなかった

今日は街にバンドが来るんだ
僕らが昔好きだった奴さ
またあの変な格好して
ラブソングを歌うつもりだろう

今日は街にバンドが来るんだ
僕らが昔好きだった奴さ
またあの変な格好して
ラブソングを歌うつもりだろう

チープな言葉と単純なコード
そして君がそばにいるだけで
あの頃僕らは満たされていた
或いはそれ以上だったかも

という歌い出しからここまでで連想する「バンド」は筆者の場合、忌野清志郎(いまわの きよしろう、1951年4月2日 – 2009年5月2日)が率いたRCサクセションで、特に「ドカドカうるさいR&Rバンド」という楽曲を想起します。
そう言えばギタリストの仲井戸麗市(なかいど れいち、1950年10月9日 – )とは共演もしていましたね。

君が何処かへ行ってしまってから
ここも随分変わったように思う
あの頃、良く会ったあの場所も
広告と落書きに埋もれてる
「ここへ行け」と書かれただけの紙切れを渡されるたびに
君と僕はいつの間にか離ればなれになってしまった

今日ここで会えたらいつか約束した星を見に行こう
今更、一体それになんの意味があるのかも忘れているけれど

沢山の事を望みすぎて
帰り道を無くしてしまった
あの頃の僕らを包むように
バンドの音が鳴り響いた

この辺の歌詞はBUMP OF CHICKENの大人気楽曲「天体観測」(2001年作品)にも通じるものもあるように思います。
「天体観測」の大人版。何年か後。みたいな。「星を見に」っていう箇所からの単純な連想ではありますが。

個人的に「天体観測」はBUMP OF CHICKENの中でもそんなにピンとこないタイプの楽曲だったりしますが、最近TV番組『関ジャム』の青春ソング特集の一般アンケートで非常に高い支持を得ていたのと、ゲストで出演していたR&Bが専門のプロデューサーで作詞作曲家の松尾潔(まつお きよし、1968年1月4日 – )が絶賛していたのが少し意外だったので、それが印象に残っていて連想した模様。

更に余計な事を書くと黒沢健一の楽曲の中で最も売れた、L⇔R時代のミリオンセラー楽曲「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」(1995年作品)も個人的には実はあんまりピンと来なかったりします。
L⇔Rにもソロにももっと良い楽曲は幾らでもあって、「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」って個人的に黒沢健一の中では平均よりも下くらいの位置付けで、単純に好みの問題だと思うものの、ちょっと力みがあると言うか、そんなに調子が良くなかったのではないか、という印象です。

それはともかく、この「Rock’n Roll Band」。
「ドカドカうるさいR&Rバンド」や「天体観測」と同様に、日本のロック史上のスタンダードの一つになっても良いくらいの楽曲だと思うのですが、いかがでしょうか?

新型コロナが終息し、長らく当たり前だった平時にまた戻って、ミュージシャンたちがライブ活動を再開出来る日が来る事を願っております。

今回の災禍によりエンタメ業界に限らず、経済的に極めてシビアな状況に置かれた人も大勢居るかと思いますが(現在そのような状況にいる方が訪れるようなページではないとも思いますが)、余計なお世話ながら少し書くと、これはよく知られている話ではありますが、現アメリカ大統領のドナルド・トランプはこれまで4回も破産しています。

あと意外と知られていないところで、かのウォルト・ディズニーも2回破産していたりするので、どうあれ自己破産もあくまで再チャレンジの為に用意された制度であることは知っておいて良いと思います。

どんな絶望的な状況であっても、希望を無くしてはいけない。
小さなただのひとかけらであってもそれを絶対に手放してはいけない。それさえあればなんとか生きていける可能性が飛躍的に高まる。と、誰だったかは失念しましたが書いていました。
確かにそうだと思うので、それだけ記しておきます。

余談ながら筆者も思わぬ形で、自身の経済事情に対し結構な損失を食らってしまいましたが、まあしょうがないと思って出来る事をなんとかする他無いと思っております。

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