【今日の1曲】Fiona Apple – I Want You To Love Me (2020)

昨日の予告通り、本日はアメリカ出身のシンガーソングライターFiona Apple(フィオナ・アップル 1977年 – )の8年ぶり、通算5枚目のアルバム『Fetch the Bolt Cutters(フェッチ・ザ・ボルト・カッターズ)』から1曲、冒頭を飾る「I Want You To Love Me」をご紹介します。

Fiona Apple – I Want You To Love Me (Audio)
Fiona Apple – I Want You To Love Me

Fiona Appleは以前にも取り上げたことがあり、その際、そろそろ新譜出ないのかなー。と書きましたが、出ました。超傑作。

これ、アメリカの音楽サイトPitchfork(ピッチフォーク)の採点にて、2010年にリリースされたKanye West(カニエ・ウェスト 1977年 – )の『My Beautiful Dark Twisted Fantasy(マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー)』以来、10年振りの10点満点が付けられたことで話題になっているようです。
個人的にKanye Westは以前取り上げたその次の『Yeezus(イーザス)』(2013年作品)の方が良いと思うけれど。それはさておき。

歌が上手いとか曲が良いとか言うよりも先に、生命力がぶっとく脈打っているのがダイレクトに伝わって来るかのような、全体が丸ごと生き物のような音楽作品。これまでの4作にも増して。

陳腐な言い方をすると、元々ちょっと狂気的と言うか剥き身の表現をする人ですが、前作のイラストほどではないにせよ、今作もジャケットの写真の表情からしてやっぱりなんかやばい。

Kate Bush(ケイト・ブッシュ 1958年 – )やBjörk(ビョーク 1965年 – )のように、明らかに一線を画した非日常的だったり幻想的だったりするサウンドデザインの中で遺憾無く才気を爆発させるボーカリストとは違って、Fiona Appleの今作の場合、格調は高くてもあくまで日常的で言うなれば比較的カジュアルなサウンドを用いていますが、そこから人並外れた才気が発せられるのが結果一層生々しい。

今作は特に多用されたパーカッションが印象深く、それも特別に大掛かりな感じではなくて、なんとなく自宅キッチンとかで鳴らしていそうなものだったったり?を重ねたような感じ。

ところでこのジャケットの上部に写っている犬。
数年前に病死したFiona Appleの飼い犬とのことですが、なにやら本作ではこの愛犬の遺骨をも楽器として使用したという話もあります。

こういうエピソードって人によってはギョッとさせられるかも知れませんが、Fiona Appleは動物愛護の意識も高く、多分に愛情深い人だと思うので、あくまで作品に参加させたかったということなのでしょう。

以前の記事でも軽く名前を出した今をときめくBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ 2001年 – )のアルバムや、Pitchforkをはじめ、日本含む各国メディアの多くが昨年2019年のベストアルバムに選出した、Lana Del Rey(ラナ・デル・レイ 1985年 – )の『Norman Fucking Rockwell!(ノーマン・ファッキング・ロックウェル!)』、評論家筋からの評価は特に良くも悪くもなかった印象ですが個人的にはとても好きなTaylor Swift(テイラー・スウィフト 1989年 – )の『Lover(ラヴァー)』、なんとなくよく聴いたSolange(ソランジュ 1986年 – )の『When I Get Home(ホエン・アイ・ゲット・ホーム)』などなど、昨年リリースの女性ボーカリスト作品だけでも傑作多数あれど、それらと比較してもFiona Appleの今作軽く頭二つくらい抜けている印象。

えー、上段、大した考えもなく昨年印象に残った女性ミュージシャンの作品を幾つか挙げましたが、これ別に女姓のみならず男性もソロ/バンドの活動形態も問わず、Fiona Apple、やはり現存する数少ない別格の全身音楽家だと再認識しました。
全盛期のPrince(プリンス 1958 – 2016年4月21日、あ、今日が命日か…)とPrince以外のミュージシャン、まではいかないものの、結構それに近い感じ。

実は前記事で「Fast as You Can(一刻一秒)」を取り上げた際、間違いなく良いのだけれど、時代の変化のせいか、正直ちょっと人によっては冗長に聴こえるかも?などと思ったりもしておりましたが、今作ではそのように思う箇所も無く、通しでスルッと聴けました。

滅多に出ないレベルの大傑作につき、明日も引き続きFiona Appleの同作から選曲しようと思います。それではまた。

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