【今日の1曲】David Bowie – I Can’t Give Everything Away (2016)

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。

昨日は『個人的TOP10に入るのに何故か今まで取り上げなかったDavid Bowieの3曲』ということで、アルバム『★(Blackstar ブラック・スター)』(2016年作品)全曲紹介は1日お休みしましたが、一昨日に続きまして、本日はラスト7曲目に収録された「I Can’t Give Everything Away(アイ・キャント・ギヴ・エヴリシング・アウェイ)」をご紹介します。

これで最後の最後。

David Bowie – I Can't Give Everything Away
David Bowie – I Can’t Give Everything Away

正直これ1曲だけを単体で取り出して、特別物凄い名曲というわけではないようにも思いますが、アルバムの流れで聴くと、「これで締め括られて本当に良かった」と心から思えるような「これ以外ない」楽曲でもある。

『★』はDavid Bowieの優れたアルバム作品群の中でも紛れもない最高傑作だと思っておりますが、その理由を簡単に述べると、俗に言う捨て曲が一切ないのは当然として、1曲1曲が完璧に役割を果たす構成が絶妙であり、非常に研ぎ澄まされた各楽曲が持つ深みもまた相当なものがあるからです。

これまでに書いた記事と重複しつつまとめると、

  • まず1曲目の表題曲でいきなり約10分のアヴァンギャルド楽曲。インパクト大。
  • 引き続き攻めの手を休めずアグレッシブな2曲目の「’Tis A Pity She Was A Whore」
  • 動から静に変わるもこれまた攻める3曲目の「Lazarus」は表の番長「★」に対し裏番のような存在感。
  • からの4曲目「Sue (Or In A Season Of Crime)」は2曲目同様アグレッシブに攻める楽曲。この2曲は「★」を黄門様として真ん中に置いたなら、助さん格さんのような存在かと。
  • 続けて5曲目の「Girl Loves Me」は3曲目と同じく静的ながらこれまた攻めた楽曲。個人的には結構なスルメ曲でダークホース曲。圧高めでしんがりを務める。ここまで5曲全てが徹底して攻めの一手。
  • そして6曲目の「Dollar Days」で、初めて表向き攻めてない楽曲登場。前曲までの圧からの開放感を感じさせつつ、感傷的。でもベタつかない。最後は彼岸に向かってゆくような。
  • そして最後、前曲からシームレスで繋がっている7曲目「I Can’t Give Everything Away」で、ポジティブに浮遊して前へ進んで行くような感覚。

ここまで全体が見事に機能しているアルバムってそうそうない。David Bowieに限らず他に何かあったっけ?っていうくらいのレベル。
これを69歳の誕生日にリリースし、その2日後に旅立ったDavid Bowieの見事さたるや、これ以上は筆舌に尽くし難いものがあります。

ところで「I Can’t Give Everything Away」ってMVあったんですね。
確認するとDavid Bowie逝去後に発表されたもののようで、制作者のJonathan Barnbrook(ジョナサン・バーンブルック 1966年 – )のインタビューから察するに、おそらく制作自体も逝去後だと思います。

ちなみに2000年以降のDavid Bowieのアートワークはほぼこの人が手掛けており、つまりあのビミョーな『heathen(ヒーザン)』と『Reality(リアリティ)』のジャケットも、逆にキレッキレな『The Next Day(ザ・ネクスト・デイ )』と『★』も同じ人が手掛けていたという。

ついでに『★』のデザインについて書くと、これ大体の方がご存知かと思いますが、ジャケットの大きな★の下に並んだ★の欠片。
これはそれぞれ、b o w i e(E)を表しているとのこと。
最初のbがやや強引な気もしますが、なるほどー。と思う配置です。

で、この楽曲、部分的に既聴感があるなーとは思っていましたが、名盤の誉高い1977年作品『Low(ロウ)』に収録された楽曲「A New Career in a New Town(ニュー・キャリア・イン・ニュー・タウン)」のハーモニカのフレーズが再登場していたのだと、動画のコメント欄を見て分かりました。
言われてみれば、あー、なるほど。スッキリ。
最後の最後にこのタイトルを引っ張って来たのは意味合いとしても納得。そして非常に感慨深い。

歌詞については「Dollar Days」の記事でも書きましたが、既に日本語でも優れた考察がなされたサイトが複数存在していますので、是非そちらをご参考ください。

David Bowieが旅立って早いものでもう4年。
今頃はどこか違う星の「新しい街での新しいキャリア」を早々に積み重ねて、また新しい熱狂を巻き起こしていたりするのかも知れません。

これにて特集も一旦終了ということで。

『★』未収録の3曲、特に「No Plan(ノー・プラン)」は凄く好きなので、ご紹介したいところでしたが、これに関しては以前取り上げた『The Next Day』期の「So She」や『heathen』期の「When The Boys Come Marching Home」等、同じような境遇のいわゆる日陰系楽曲をまとめて特集するなりプレイリストでも作ろうかなーと思います。
でもここら辺の楽曲ってサブスクで漏れていたりするんですよね。うーん。

完成度とか人へのお勧め度とかを完全に度外視して、超個人的なDavid Bowie楽曲のベストって考えると、本当に好きなのはこの辺の楽曲だったりするのですが、これはまあ気が向いたらそのうち。

それでは。また。

コメント

タイトルとURLをコピーしました