【今日の1曲】David Bowie – Girl Loves Me (2016)

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。

引き続き通算25枚目(数え方によっては28枚目)にして最後のアルバム、2016年作品『★(Blackstar ブラック・スター)』より、本日は5曲目に収録された「Girl Loves Me(ガール・ラブズ・ミー)」を。
全7曲の残り3曲なんで、もう全曲行っちゃいます。

David Bowie – Girl Loves Me (Audio)
David Bowie – Girl Loves Me

「A Clockwork Orange(時計じかけのオレンジ)」で主人公達が使用する架空の言語Nadsatと、過去にゲイの男性が迫害から身を守るために使用されたというスラングのPolariが多用されており、正直筆者には漠然とした雰囲気しか分からない歌詞ではあります。

そんな歌詞中に登場する「The Chestnut Tree(栗の木)」。
これは多分、英国の作家George Orwell(1903 – 1950年)が1949年に出版したSF小説「1984」の作中で効果的に使われる童謡「大きな栗の木の下で」(これは元々英国の民謡)を意味しているのではないかと。

ファンの方はご存知の通り、David Bowieはかつてこの小説「1984」を題材にしたアルバム『Diamond Dogs(邦題:ダイアモンドの犬)』をリリースしています(通算7枚目。1974年作品)。

作品の成り立ちは以下。

前2作『ジギー・スターダスト』『アラジン・セイン』において虚構のスターを演じるというコンセプト・アルバムを立て続けにヒットさせていたボウイは、パブリック・イメージからの脱却のために「引退」宣言を行い、次作のコンセプトの検討をしていた。この頃、スタッフやバックバンドとのトラブルに巻き込まれ、精神的に追い詰められていたボウイは、僅かな食事と薬に頼る生活をしており、心身ともに憔悴しきっていた。そんな最中、イギリスの作家であるジョージ・オーウェルの作品『1984年』に影響を受けたボウイは、同作品のミュージカル化を企画し、計画を進めようとしていたが、著者の未亡人に拒否されたため、自らが半人半獣の姿で退廃した未来を予言するというコンセプトへと変更を余儀なくされた。また、この頃にある雑誌記者の紹介で、アメリカの作家であるウィリアム・バロウズを紹介されたボウイは、彼の影響で本アルバムにおいて「カットアップ」という手法で歌詞を作成、こうして両名からの強い影響によって本アルバムはコンセプト・アルバムとして完成した。

Wikipediaより

で、「1984」はざっくり言うと全体主義国家による監視社会を描いた作品なので、その中でNadsatやPolariが使用されるのは筋が通る。

でもサビというかキメのフレーズがタイトルにもなっている「Girl Loves Me」というシンプルなものになっているのは何故なのか不明ながらなんだか面白いなーと思います。

この辺の理由や解釈についてはもしかすると、国内版CDの解説とかにあるのかも知れませんが、筆者はこれ輸入盤で購入していて解説未読の為、そこらへん気になった方は読んでみると良いかも知れません。

何気にこう自身の過去作品とも関連付けているところは聴いていて「お。」と思うところ。

そう言えば昨日の「Lazarus(ラザルス)」の記事で書き忘れていましたが、PVの最後に着用している斜めストライプの衣装は、1976年リリースの通算9枚目のアルバム『Station to Station(ステイション・トゥ・ステイション)』の時期に着用していたものと同柄だったりもする。

あのクローゼットに入って行くこと(つまりは死)も「駅から駅」への中継でしかないという意味合いなのかも知れません。

これ後で前記事に付け足しとこう。

気付いていないところで他にも過去作との繋がりがあるのかも知れませんが、とりあえずこの2枚『Diamond Dogs』と『Station to Station』って、個人的にDavid Bowieの全アルバムの中でTOP3に入っていたりするんです。

当初こんなにがっつりDavid Bowie特集をするとは思っていなかったので、『Station to Station』はサラッと1曲、『Diamond Dogs』はスルーしていましたが。

どちらも1曲ずつ「これはちょっといらないかも…」な楽曲もあるにはあるものの、長らくこのどちらかがベストだと思っていました。

名盤ガイド的なチョイスだと『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』(1972年作品)だったり、『Low(ロウ)』(1977年作品)だったりするのもそれはそれで特に異論はないのですが。

で、話の流れで大体お察し頂ける通り、この『★』がリリースされてからは、これが不動のNo.1になったのでした。という話。

最後の作品で最高のチャートアクション(初の全米No.1)を記録し、内容的にも攻めに攻めて最高のものを届けてくれたことに改めて尊敬の念を抱く次第です。

構成めちゃくちゃながら最後に少し音の方についても書くと、この『★』の制作にあたり影響を受けたという、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の2015年のアルバム『To Pimp a Butterfly(トゥ・ピンプ・ア・バタフライ)』、エレクトロニック・ミュージック・デュオのBoards of Canada(ボーズ・オブ・カナダ)、実験的なヒップホップ・トリオのDeath Grips(デス・グリップス)、それらの影響が一番見られるのがこの「Girl Loves Me」かなー。という印象。
特にDeath Grips。
動画のコメント欄に散見されるPeter Gabriel(ピーター・ガブリエル)感も確かにあるっちゃあるような。

「Lazarus」同様、どちらかと言えば静的な楽曲ながら、これも結構攻めていて、かなりの圧がある。

最初聴いた時は、ここまでで一番パッとしない曲のように思いましたが、これはじわじわハマります。

口ずさむと非常に良いメロディーなんですよね。
アレンジ変えたら全然表情が変わりそう。

個人的にはアルバム中で一番のダークホース楽曲です。

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