【今日の1曲】David Bowie – Lazarus (2016)

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。

引き続き通算25枚目(数え方によっては28枚目)にして最後のアルバム、2016年作品『★(Blackstar ブラック・スター)』より、本日は3曲目に収録された「Lazarus(ラザルス)」をご紹介します。

David Bowie – Lazarus (Video)
David Bowie – Lazarus

迫り来る自身の死を映像化したとしか解釈のしようが他にない悲痛なMV。
「Lazarus」とは、英和・和英辞典のweblioによると、

1、キリストの金持ちと貧乏人のたとえ話に出てくる病気の乞食
2、墓に入れられてから4日後にキリストが死から蘇らせた人物

とのこと。日本だと「ラザロ」と表記されることが多い人物ですね。
蘇った際のラザロは布に巻かれた状態だったとの事なので、MVの包帯で巻かれた顔はそれを踏まえてのものかも知れません(目隠しの意味は今ひとつ分かりませんが)。

最後のクローゼットが棺桶の置き換えである事は見た人誰しもが思う事でしょう。

もしかすると、病を乗り越えての復活を一縷の望みとして持っていたのではないかとも想像しますが、結果このMVが生前最後の映像作品になりました。

真に偉大なアーティストが遺した、鬼気迫るMVです。

音の方の話をしますと、ここまで取り上げた1曲目「★」、2曲目「 ‘Tis a Pity She Was a Whore」、4曲目「Sue (Or In A Season Of Crime)(スー(オア・イン・ア・シーズン・オブ・クライム))」の3曲は、アルバム中の割とアクティブな「攻めた楽曲」でしたが、この「Lazarus」は静的でありながら、これまた非常に「攻めた楽曲」だと思います。

パッと聴きでは先の3曲よりもはっきり言って分かり難いと言うか、ポップさや取っ付き易さは少ないと思いますが、これは聴けば聴くほど味わいの増す楽曲で、表題曲「★」に次ぐ重要曲であり絶対的裏番という印象。

ちょっとだけJohn Lennon(ジョン・レノン 1940 – 1980年)の大名曲「 Imagine(イマジン)」の、特にA Perfect Circle(ア・パーフェクト・サークル 以下APC)によるカバーを連想するメロディーライン。
冒頭のフレーズの締めが共に「heaven」というのもあっての連想です。

この楽曲の特徴として、「ギャン」と派手な効果音のように鳴らされるギターの響きがあると思いますが、パッと聴きだと、これは「響きと間」の楽曲という印象で、APCの「Imagine」からポップさを剥いで更にビターにしたような印象を受けました。

で、よく聴くと実は控え目な音量で鳴っているキーボードに旨味成分がたっぷり入っているように思うのと、これ昨日書き忘れたのですが、このアルバム全般で肝になっているのがベースの存在。

バンド系サウンドなら何でも「ベースが肝」と書いておけばそう間違いでは無く、いかにも知った風な感じにはなるのだけれど、全編とにかくドラムが目立ちコード感がそんなに強く鳴っていない楽曲が多いこのアルバムでは、特にベースがちゃんと聴こえている再生環境かどうかで印象は結構変わると思います。

キーボードとベースが細かく気の利いた事をやっていて、結構深部で繊細かつ絶妙な演奏が繰り広げられていたりするので、大味な再生環境でのパッと聴きでは判らない要素が多いはず。

なので、これに限らず何にでも言える事ではありますが、可能な限りなるべく良い環境で聴いてみることをお勧めします。

いかんせん一般的なポップさは希薄なので万人向けではないような気もしますが、個人的に非常に好きな楽曲です。

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