【今日の1曲】ハナレグミ – 家族の風景 (2002)

本日3月11日は東日本大震災から9年。
ということなので、短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集はお休みで、個人的な震災についてのことを書くことにします。

基本的に当サイトは音楽の嗜好以外の筆者の個人的な話は書かないようにしていますが、別に何がなんでも出したくないとかそういう訳でも無いので、たまには。

筆者は東京生まれで、2011年のあの日も都内に居て、幸いこれといった被害には遭いませんでしたが、ルーツのひとつが東北にありまして、当時祖父母をはじめ多くの親族が暮らしていました。
こう書くと、今は暮らしていないかのようですが、今でも暮らしています。ただこの9年の間に何人かが亡くなったので、こういう場合はどう書くのが良いのだろう?まあいいや。これが文章力の無さというやつです。

で、筆者も子供の頃の数年間を過ごしたことがあるその街は、あの日の津波で壊滅しました。

まだ実態が不明なままの時にTVで流れて来た「壊滅状態です」というワードが現実感を伴うのにはある程度の時間を要しました。
「街が壊滅」ってまるで映画や漫画のようでフィクションのようですよね。
でも事実その言葉の通りでした。

音信不通状態が何日続いたのかはもう曖昧ですが、数日の後にようやく親戚一同の無事が確認され、同時に、筆者も過去に一緒に暮らしたこともある祖父母宅をはじめ、親族の家は遠方を除き、全て流されたことを知りました。
とは言え全員の命が無事だったというのはかなりのラッキーだったようで、筆者の知人や同級生、同級生の家族、家族ぐるみで付き合いのあった人達が少なからず津波で流され亡くなっています。

居ても立ってもいられない気持ちにもなりましたが、状況が落ち着くまでは行っても逆に迷惑になりかねないので、2週間後くらいでしたかね、時期はうろ覚えですが、地域の避難所になった小学校で生活をしている祖父母をはじめ親類の皆に会いに行きました。とは言え現地でボランティアをする時間的余裕は無かったので、可能な限りの少量の物資を持って会いに行っただけなのは、どうにも心苦しかったりもしましたが。

その際、事前に「何か必要なもの、買って来てほしいものは?」と尋ねると「救援物資は方々から色々届いているから(特にいらない)」ということでしたが、祖父に唯一タバコ、確かLARKの赤をリクエストされ、5カートンくらい買って持って行き、なんとなく大部屋の他の人の目に付かないようにこっそり渡したのを覚えています。
しばらくの間、現地ではなかなか手に入らなかったらしいです。

数年の仮設住宅生活の後、再び今度は高台の方に家を建て、祖母と共に暮らしていた祖父でしたが、昨年の夏に亡くなりました。

もう90歳を超えていたので一般に言う大往生です。

筆者はタバコを吸わないので、あまり詳しくないのですが、祖父は確か昔からずっと青いパッケージの煙草を吸っていた筈で、いつの間にLARKの赤になったのだろう?

ハナレグミ 家族の風景
ハナレグミ – 家族の風景

まあ考えてももう分からない事で、試しに吸ってみたらこっちの方が好みだった。というそれだけの事なのでしょうが。

【今日の1曲】は元SUPER BUTTER DOGのボーカリスト、永積タカシのソロユニット・ハナレグミが2002年にリリースしたデビューシングル「家族の風景」で。
こちらは同年リリースの1stアルバム『音タイム』にも収録されています。

歌い出しの

キッチンにはハイライトとウイスキーグラス
どこにでもあるような 家族の風景

という完璧な描写で始まるこれはもう本当に名曲中の名曲。
これほどの楽曲が当時オリコン圏外だったのには驚くと言うかちょっとガックリきますが、リリース後もじわじわと広がり、聴いた人の心に残り続けてゆく楽曲なのだと思います。

今年もまたYahoo!のトップに復興支援の特設ページへのバナーが設置されていますね。
震災から9年が経っても、復興がまだまだ気の遠くなるような先の話なのは、現地を訪れる度に毎回強く実感します。

これを読まれた方で、東日本の3.11に限らず災害が正直どこか他人事にしか思えないという、ある種ラッキーな方は、一度現地に足を運んでみるのも良いのではないでしょうか。

わざわざそんなの面倒だと思われる方も是非「家族の風景」は聴いてみてください。

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