【今日の1曲】David Bowie – The Motel (1995)

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。

本日は1995年に発表された通算19枚目のアルバム(ここら辺まで来ると通算枚数の数え方もバラけてきており、Wikipediaだと18枚目になってますね。多分昨日取り上げたサントラ『The Buddha Of Suburbia(邦題:郊外のブッダ)』をオリジナルアルバムとしてカウントしていないパターン?)で、「問題作」とも呼ばれる『1.Outside(アウトサイド)』から「The Motel(ザ・モーテル)」をご紹介します。

7. The Motel-David Bowie
David Bowie – The Motel

まずはこの『1.Outside(アウトサイド)』の「1.」って何よ?という話ですが、これ全5部作で発表する予定だった作品の第1弾なんですよね。ちなみにテーマが猟奇殺人。…うーん。この時点で問題作扱いされることが多い理由もお分かり頂けると思います。

ただこの時代の音楽界ってとにかく暗かった。特にアメリカ。人間の暗部にフォーカスした表現がやたらと多かった印象で、当然ながらそういった表現はそれ以前の80年代にも70年代にも存在していましたが、それらは非メジャーのアンダーグラウンドなものがほとんどであり、このようなテーマのものがメジャーでバカ売れしまくっていたのは90年代の特にこの時期に目立った傾向だったように思います。
ロックは滅茶苦茶内省的で、ヒップホップはギャングスタ・ラップの最盛期で殺伐。

なので、David Bowieがこういうテーマでアルバムを作っても特別違和感はなかったのですが、改めて振り返ると「どんな時代だよ」って気もします。

余談ではありますが、それで言うと当時日本で流行した「渋谷系」のキラキラさってかなり異質なもののようにも思えますね。
まあそこら辺の考察はしだすと長くなるので機会があれば。既に色々な人によって散々されているはずですが。

『1.Outside』の話に戻りまして、このアルバム、全19曲も収録されていてトータルタイムが約75分もあり、国内盤は更にボーナストラック追加で全20曲78分と、CDの録音可能時間の限界まで詰め込まれているという長尺っぷりなのです。

それも問題作の要因かもしれませんが、聴けば淡々とした落ち着いたトーンの楽曲が多く、実はそんなにホラーめいたおどろおどろしいものでもなく、結局総カロリーはそんなに高くなかったりするので、尺の割に案外聴き疲れはしない作品だと思います。

感覚としては、結構力が入っていたと思う前々作の『Black Tie White Noise(ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ)』の半分以下のカロリー量で、曲調がバラけている前作の『The Buddha Of Suburbia(邦題:郊外のブッダ)』より作り込みはされているものの、全体が統一されているので、滑らかで聴き易い印象。

ちなみに国内盤ボーナストラックを除くアルバム最後に収録された「Strangers When We Meet(ストレンジャーズ・ホエン・ウィ・ミート)」は、前作収録曲のリアレンジバージョンで、この楽曲のみ、ほの明るい雰囲気を持って作品が締めくくられます。

そんな中から本日は個人的ベストトラックの「The Motel」を取り上げてみました。
先述の通り淡々としており、決して派手な楽曲ではありませんが、聴き応えは十分だと思います。実にシックな仕上がりです。

他の収録曲についても少しだけ簡単に紹介すると、Brad Pitt(プラッド・ピット)主演の、観ると後を引く映画『Seven(セブン)』のエンディングに使用された「The Hearts Filthy Lesson(ハーツ・フィルシー・レッスン)」や、こちらも映画、David Lynch(デヴィッド・リンチ)監督の大傑作『Lost Highway(ロスト・ハイウェイ)』に使用された「I’m Deranged(アイム・ディレンジュド)」など、まさにテーマがドンピシャの作品に重用された2曲をはじめ、それ以外にも良曲が複数収録されているので、今回ご紹介した「The Motel」がピンと来た方も来なかった方も、暗そうなテーマに引いて敬遠してしまわずに、まずは一度聴いてみることをお勧めします。

どこかの海外メディアが選んだDavid Bowieのアルバム全作品順位付けで、うろ覚えですが、90年代以降の作品でこれだけ突出して順位が高くて、確か4位とかになっていたような気がします。それも分からなくは無い傑作。

ところで続編がどうなったかは以下引用。

しかし、アルバムコンセプトの難解さと陰鬱に満ちた曲が多いゆえ、商業的には不振で、予定されていた続編『インサイド』がお蔵入りになってしまい、この作品のコンセプトは未完のままである。

Wikipediaより

本作は「ベルリン3部作」以来、約16年振りにBrian Eno(ブライアン・イーノ)が参加した作品でもあり、結果最後の共作となってしましたが、David Bowieの逝去後、以下のように語ったのだそう。

2016年1月、ボウイ他界直後に発表したブライアン・イーノの追悼コメントの一部に、「(ボウイ他界の)1年ほど前から、私たちの最後のアルバムになる『アウトサイド』という作品について話を進め始めていたんだ。お互いにこのアルバムのことを気に入っていたが、片隅に追いやられていたんだ。それで、もう一度考え直して、新しいところに持って行こうと話していたところだった。楽しみにしていたんだけどね」と続編製作の可能性があったことを匂わせるコメントをした。

Wikipediaより

あー、これ忘れてなかったんだなー。

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