【今週の3曲】サントラ『郊外のブッダ』(1993) を考える

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。

ご存知ない方からすれば「何すかこれ?」
な画像だと思いますが、これが本日ご紹介するDavid Bowieの18枚目のアルバム『The Buddha Of Suburbia(邦題:郊外のブッダ)』が最初にリリースされた際のジャケットです。

早速アルバム収録曲から1曲「Dead Against It(デッド・アゲインスト・イット)」

Dead Against It
David Bowie – Dead Against It

90年代の電気グルーヴがここ一番で出すシングル曲みたいな曲調ですよね。David Bowieの中では珍しいタイプの楽曲。

前作『Black Tie White Noise(ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ)』の約7ヶ月後という短いスパンで、同年1993年の11月にリリースされたこのアルバムの成り立ちは以下。

本アルバムの制作はそもそも、イギリスの文学賞「ウィットブレッド賞」を受賞した作家ハニフ・クレイシが1990年に書き下ろした小説「郊外のブッダ(The Buddha Of Suburbia )」をイギリスBBCがドラマ化するにあたり、ボウイにサウンドトラックの依頼をしたのが始まりである。しかし、劇中で使われた曲はアルバムのタイトルトラックだけで、現在では実質的にボウイのオリジナルアルバムとしてカウントされている。そのため、本作が発売した当初はボウイもプロモートをするためのインタビューをすることもなかったため、ファンの間でもその存在を知る者は少なかった。

Wikipedia より

という、David Bowie の全アルバムの中でも「日陰オブ日陰」な作品です。

ここからちょっと個人的な話になりますが、当サイト日曜から金曜までは【今日の1曲】という事で、基本1曲をピックアップ。興が乗れば昨日みたいに2曲になったり、関連曲を挙げていったら4曲とかになったりも場合によっては稀にありますが、基本はあくまで1曲。
そして土曜は【今週の3曲】。
ちょっとした企画っぽく選曲しておりますが、現状大して棲み分け出来ておらず、前の日の流れのままの連想でただ3曲を選曲していたりします。
で、ここ1ヶ月ほどは大枠でDavid Bowieを取り上げているわけですが、順番的に「土曜に『郊外のブッダ』来ちゃうか…。ここから3曲も推薦したい曲あるかなー?いっそ昨日のAl B. Sure!(アル・B・シュア!)の流れでNew jack swing(ニュー・ジャック・スウィング)から3曲選ぼうかなー。」くらいに考えておりました。

つまりこの作品あんまりピンと来てなかったんですよね。
David Bowieの全作品中で聴いた回数が少ないのは1967年のデビュー作か『Never Let Me Down(ネヴァー・レット・ミー・ダウン)』(1987年作品)で、記事を書くにあたり数十年振りに聴いたくらい。次に少ないのがカバー集の『Pin Ups(ピンナップス)』(1973年作品)、次いでこれ。
悪評まみれ『Tin Machine II(ティン・マシーン 2)』(1991年作品)より少ないという。

一部のファンから非常に評価が高いのはなんとなく知ってはいましたし、

ブックレットの記載されたボウイ自身の解説によると「作曲に6日、器材の故障による5日間の休暇をはさみ、録音とミックスに15日かけて仕上げた」という短期間で制作

とあるようにパッと作ったが故の独特の軽みのある良作だとは認識しておりましたが、やっぱり適当に流して聴くぶんには良いかもしれないけれど、表題曲を除きそれ以上でもそれ以下でもないくらいの印象の作品集でした。
まあでもこれちょっと聴き込みが足らんかもなーということで、外出時に聴きながら歩いていたら、あら?これえらい良いじゃないですか。

ここで本日2曲目。アルバム冒頭に収録された、木漏れ日のような暖かみのある表題曲。
世界が広がっていくような感覚があります。これに関しては元々好きな曲でした。
出世作「Space Oddity(スペイス・オディティ)」からの引用も見事。

David Bowie – Buddha Of Suburbia (Official Video)
David Bowie – Buddha Of Suburbia (Official Video)

実際にドラマで使用されたのはこのタイトル曲のみ。とのことで、そもそもドラマを見てないので本当にタイトル曲以外全く使われていないのか不明ではあるものの、そこはWikipediaの記載を信用するとして、このアルバム収録曲について疑問なのが、元々映画の中で使われる為の劇伴として作ったのか、それとも主題歌以外は劇中では使用しないのは決定事項で、それ以外の楽曲はイメージソング的に作ったものだったのか?ということです。

と言うのも、やはり劇伴前提であれば機能が違うと言いますか、映像の邪魔をしない作りになるはずで、音楽だけで完結させるのではなく、映像と相まってーー今回の自分の体験で言えば散歩しながら聴いたりすると景色と混じってーー抜群に活きるような作りにするはずだからです。

それについては資料を探せば判明しそうですが、ざっと探した感じでは発見出来ず。そんなにがっつり探す気は無いものの、もし見つけたら追記しときます。

本日の3曲目。

The Mysteries
David Bowie – The Mysteries

これも元々好きな方の楽曲。でもあえて人に勧めるような曲かね?とは思います。傾向の近い「Crystal Japan(クリスタル・ジャパン)」は以前思いっきり推したけれど。

「Crystal Japan」は楽曲自体が映像的と言いますかリスニングだけで十分に成り立つのですが、この「The Mysteries(ザ・ミステリーズ)」はやっぱり散歩しながらだと聴こえ方が違うんですよ。
逆に「Crystal Japan」はあまり印象変わらず。単なる思い込みかもしれませんが。

一連のDavid Bowie特集、ここまで色々聴き返して、本作は1番の収穫になりました。逆に3曲選べないほど良い。

ということで、もう1曲行っちゃいましょう。

Untitled No. 1
David Bowie – Untitled No. 1

David Bowieの全作品中、個人的な印象としてこれは最も暖かみのあるアルバム。「日陰オブ日陰」な扱いなのに。
当然の事ながら『The Buddha Of Suburbia』という原作のイメージに沿っているのでしょう。見ていないのであくまで想像ですけど。
ちなみにジャケットは最初に掲載したものから以下に変更されています。

ややもすると逆に過大評価されているような気がしないでもない作品でしたが、ごめんなさい。これほんとに良いアルバムでした。ピンとこない方は是非外で聴いてみてください。特に休日にはうってつけ。

これに限らず、その魅力に気付けていない物事って沢山あるのでしょうね。勿論音楽に限らず。そんなことを改めて考えさせられました。

一応書いておきますけど、音楽聴きながらの歩行はお気を付け下さいね。

それでは良い休日をお過ごし下さいませ。

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