【今日の1曲】Tin Machine – Prisoner Of Love

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。
途中色々挟みつつなんやかやでもう足掛け1ヶ月超えちゃってますねー。全然短期じゃない。
当初ここまできっちり?やるとは思っていませんでした。

これまでを振り返ると、人気のグラム期を含む初期は飛び飛びで結構適当な感じのピックアップでしたが、一般的に評価の低い80年代はアルバム1枚ずつ律儀に、更にはシングル曲やアルバム未収録曲も取り上げつつですね、遂に辿り着きましたTin Machine(ティン・マシーン)。

往年のロックファンからすれば「あー、そんなのもあったねー」だったり、若い方には「Tin Machineなんぞや?」って感じかもしれませんが、ソロアーティストだったDavid Bowieが「あくまで1メンバー」として結成したバンドがTin Machineでございます。はい。

今回は1989年にリリースされたセルフタイトルの1stアルバム『Tin Machine』より「Prisoner Of Love(プリズナー・オブ・ラブ)」をご紹介することにします。

Tin Machine-Prisoner of Love
Tin Machine – Prisoner Of Love

当時のDavid Bowieと言えば、Tin Machine結成前にリリースした1987年作の『Never Let Me Down(ネヴァー・レット・ミー・ダウン)』が年間ワースト作品にも選ばれてしまうほど評論家筋からの評価は低く、それについては何度か書いている通り個人的にはそんなに悪い作品だとは思いませんが、実際問題、David Bowie自身、特大ヒットの1983年作品『Let’s Dance』の次のビジョンがこれといって無かったのでしょう。

それでも1984年作品『Tonight』は良作でしたし、昨日取り上げた「Shining Star (Makin’ My Love) 」の「まんまPrinceっぽい楽曲を自分なりにやってみました」も、楽曲として個人的には好きですが、あれを普通にアルバムに入れてしまうのは、「音楽的にマジでやりたい事が無かった」証左にもなると思います。

そんな状況で打った手がこれ。
ロックの原点回帰のようなキーボード無しのシンプルなギター、ベース、ドラムにボーカルの、結構ゴリゴリのハードロック。とは言えメインストリーム的、メタル的なものではなく、本人が公言していた通りSonic Youth(ソニック・ユース)やPixes(ピクシーズ)に影響された、ざっくり言うとノイジーで荒々しい、いわゆるオルタナ寄りのサウンド。

と、書きつつも、選曲した「Prisoner Of Love」はアルバム収録曲の中ではやや大人し目なタイプの楽曲で、Tin Machineの特徴が色濃く現れたものでは全くなく、今までのソロにあってもさほど違和感の無い、David Bowie特有のエレガントなメロディーラインを有した楽曲。

昨日の「Shining Star (Makin’ My Love) 」にしてもアルバムのムードを代表する様な楽曲ではありませんでしたが、まあ、あくまで個人的な好みとしてはこの曲を推薦しておきます。

アルバム全体としては、David Bowieと言うよりも、何かと親交のあったIggy Pop(イギー・ポップ)のThe Stooges(ザ・ストゥージズ)だったり、こちらもまた何かと親交のあったLou Reed(ルー・リード)の、特に1996年作『Set the Twilight Reeling(セット・ザ・トワイライト・リーリング)』以降のムードに結構近いような気もする。ということで、Lou Reedの方ちょっと聴き直したら曲調はそうでもなかったけれど、やっぱり何となくムードは近いような、そうでもないような。何なんだこの文。
曲調や音的にはPixes要素が結構強めです。はい。あとこのアルバム、熱量高めの楽曲が続くので後半になると実際の時間以上に長く感じるかも。適当なところで止めて、2回に分けて聴くのが丁度良い印象。

Tin Machine Prisoner Of Love
Tin Machine – Prisoner Of Love

一応PVらしきものもあったのでこちらもどうぞ。
個人的には音だけでいいかな、という感じです。

で、Tin MachineがどうなったかについてはWikipediaに略歴が良い感じにまとまっていたので以下引用。

1988年、デヴィッド・ボウイ(ボーカル、ギター)、リーヴス・ガブレルス(ギター)、トニー・セイルス(ベース)、ハント・セイルス(ボーカル、ドラムス)により結成。このバンドを結成した理由としては、『レッツ・ダンス』以降のビッグ・セールスとゴージャスなサウンドというイメージからの脱皮を図るためである。バンド結成にあたり、「もう過去の作品は歌わない」とボウイとしての音楽活動の封印を宣言した。
1989年5月、ファースト・アルバム『ティン・マシーン』をリリースし、賛否両論あったものの一定の評価を得る。同作に伴うツアーは、敢えて小規模の会場を選んで行われた。その後バンドは、ボウイがソロ名義でワールド・ツアーを行うため活動を一時中断する。
1991年9月、セカンド・アルバム『ティン・マシーンII』をリリース。同作は、セールスも評価も大きな成果は挙げられなかった。10月より大規模なワールド・ツアーを行うが、1992年2月17日の日本武道館公演が、バンドとして最後のライヴとなり、ボウイは封印を解いて再びソロ活動に専念する。1992年7月、ライヴ・アルバム『ティン・マシーン・ライヴ oy vey,baby』発表。
3枚目のアルバム『ティン・マシーンIII』を製作する構想はあったものの実現はしていなく、正式な発表はないものの実質的には解散となった。この件に関しボウイは「メンバーの私的な問題で終わってしまったけど、これは僕が話すことではない」と黙秘しているが、1975年のボウイのスタジオアルバム、『ヤング・アメリカンズ』に参加し、その後長きに渡ってボウイのパートナーを務めたカルロス・アロマーによるとドラマーのハント・セイルスがドラッグ中毒でバンドが何度も苦境に陥り、そのことでボウイが激怒したというのが理由らしい。
長いボウイのキャリアにおいて、再評価の兆しはなく、音楽的・商業的にも失敗と見られがちである。

Wikipediaより

という感じで、『Tonight』以降まとめて「低迷期・黒歴史」と呼ばれがちになってしまうわけですが、Tin Machineの2枚のアルバムはどちらも結構なスルメ盤で、聴き込むほどに味が出るタイプの作品だと思います。多少人を選ぶとは思いますが普通に良いですよ。なんか一般的には「Tin Machine(苦笑)」みたいな扱いになってますけど。

つまるところ結局David Bowieに何を求めるか?というところなのでしょうね。クオリティは高くても、大方の「これじゃない感」と言いますか。

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