【今日の1曲】友川カズキ – 家出青年

短期集中David Bowie(デヴィッド・ボウイ 1947 – 2016年)特集。
昨日は番外編という事で『三上寛の3曲』を取り上げましたが、今回も本編には戻らず番外編からの流れで、日本の音楽家・友川カズキの楽曲「家出青年」をご紹介する事にします。

友川カズキ『家出青年』(2014)  Kazuki Tomokawa – 'Runaway Lad' (with English Subtitles)
友川カズキ – 家出青年(2014)

1950年3月、青森県に生まれた三上寛。
同じく1950年の2月、青森の隣県・秋田に生まれた友川カズキ。

この二人は例えるなら日本の音楽界における風神と雷神のようなもので、これ程の強度と絶対的な格の違いを感じさせる音楽家は世界的にも稀でしょう。この突出した存在が同じ年に共に東北に生を享けた事には運命的なものを感じます。
何せそれぞれが空前絶後ですから(実はもう一人、僅かばかりの作品を残した古川壬生という青森出身の音楽家がいますが、古川壬生についてはまた別の機会に)。

三上寛はそんなに津軽弁を感じさせることはありませんが、友川カズキは秋田の訛りそのままで歌うという特徴があり、この訛りが固有のグルーブと「血の噴き出すような」とよく形容される、生々しい激しさを表現するのに欠かせない要素である事は、聴けばすぐに分かるはずです。

昨日の話の続きで言うと、坂本龍一が演じた『戦場のメリークリスマス』のヨノイ大尉役を先にオファーされていたのは友川カズキでしたが、秋田訛りを直すことを求められたために固辞した。という話もあります。

強いてこじつければ本作に参加した二胡奏者・吉田悠樹という人は「前野健太とDAVID BOWIE たち」というなかなかユニークな名前のグループに所属していたりもしたので、一応David Bowie繋がり、と言う事で。

今回ご紹介した「家出青年」という楽曲は1977年に発表されたアルバム『千羽鶴を口に咬えた日々』に収録(後にシングルカットされた「八竜町の少年たち」のB面にも収録)されていたものを36年振りに再録音し、2014年(録音は2013年)に発表した『復讐バーボン』に収録されたもの。

何故に今回この選曲をしたのかと言うと、先日ご紹介したGEZANの「東京」に通じるものがあるから。という理由です。

「東京」には久々に音楽で感動させられましたが、その問題意識と激しさ、そして真の愛情深さは、この「家出青年」にも感じられるのではないでしょうか。

『「貧困が暴力」なら 無知も暴力である 悔しき暴力である』
というフレーズの鋭さ、強烈さにはいつも感銘を受けると共に、感銘を受けるだけではいけないな、と自らを省みます。

当サイトを毎日更新しているのも、もっと多くの人に届くべき音楽が届いていないから。
というのが第一にあるのですが、この「家出青年」や「東京」はまさにそういう「届くべき」音楽で、少なからず聴いた人の人生に良い影響を与える可能性を持っていると思いますが、残念ながらやはりそこまで知られていない。
この現状に微力ながら貢献できれば、という初心を改めて思う次第です。

日本にはこれほどの音楽家が居るのですよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました