【今日の1曲】Fennesz – Rainfall(アルバム『Agola』より)

昨日の記事にて「2019年印象に残った作品」という事で挙げた、Fennesz(フェネス)の『Agora(アゴーラ)』。

本日はその『Agora』について少し書いてみることにします。
2014年の『Bécs(ベックス)』以来、通算7枚目の作品。

Fennesz – Rainfall
Fennesz – Rainfall

Christian Fennesz(クリスチャン・フェネス)はオーストリア出身のギタリストで、ラップトップ(つまりノートパソコン。もうあんまり見なくなった言葉ですね)を駆使した「エレクトロニカ(これも死語になったような)」というジャンルを代表する作品と称される、『Endless Summer(エンドレス・サマー)』(通算3枚目、2001年作品)で大注目を集めた人です。

その後も良作を発表し、今まで当サイトで紹介した人だと、坂本龍一David Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)Jim O’Rourke(ジム・オルーク)らとの共作やYMOのツアーにギタリストとして参加していたりもします。

今までの作品で言うと雰囲気的には2008年の『Black Sea(ブラック・シー)』が、ジャケットも海繋がり(ですよね?『Agola』も海っぽく見えて、もしかしたら海じゃないかも?)で近いと言えば近いと思いますが、『Black Sea』が全8曲だったのに対し、『Agola』は半分の全4曲(日本版は最後にボーナストラック1曲付き)。
単純に曲の切り替わりも少なく、12分前後の曲が4曲きれいに収まっている『Agola』の方が没入感がだいぶあります。
今回はアルバム2曲目に収録された「Rainfall」をなんとなくで選びましたが、どれを選んでも良い感じ。

個人的にここ10年くらいこの手のエレクトロニック系の作品は、新譜が出ればそれなりに話題になるTim Hecker(ティム・ヘッカー)やONEOHTRIX POINT NEVER(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)をはじめ、Fenneszのコラボ作品等も含め、意欲作や良作は幾つもあったとは思うものの、買っても大体2〜3回しか聴かない感じになっており、このような音楽に対して筆者の興味や感性がもうあんまり向いていないのかな?と思っていましたが、これは愛聴盤になりました。

この作品はこれみよがしな仕掛け等無く、あんまり作為を感じない、自然に任せているような感じに聴こえるところが良いです。実際は超緻密に計算して作り込んでいるのかも知れませんが。

あと、長尺曲にありがちな「このフレーズ(もしくは)この音、これ以上続くとキツイなー」ということに1度もならず、余裕またはギリギリの更に2歩手前くらいで回避されるので、悪い意味で引っ掛かるところがありません。

仕掛け等が無いという点では「冒険していない」「攻めていない」「果敢なチャレンジをしていない」」コンサバティブな作品とも言えるのかも知れませんが、目新しさ(耳新しさ)が特に無かろうが完成度が高ければそこはまあ別にどうでもいいです。

実際ここまで「良くないところがない」アルバム作品って近年他に思い浮かばないくらいで、節度ある、とにかく気持ちが良い作品。

個人的にこれがFenneszの最高傑作であり、2019年で1番の愛聴盤です。

ポップスとは違いまあまあ人を選ぶ部類の作品になるとは思いますが、サブスクでも聴くことが出来るので、時間のあるお正月にでも是非聴いてみてください。

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