【今日の1曲】Scott Walker – The Escape

今年2019年3月22日に76歳で死去した、元アイドル的人気シンガーで、伝説のカルトミュージシャン・Scott Walker(スコット・ウォーカー)。

同じく今年亡くなったTalk TalkのMark Hollis(マーク・ホリス)、Dr. john(ドクター・ジョン)と、このScott Walker(スコット・ウォーカー)は特に愛聴していた音楽家だったので、ここに取り上げたいと思います。

David Bowie(デヴィッド・ボウイ)やBrian Eno(ブライアン・イーノ)、Julian Cope(ジュリアン・コープ)にThe Smiths(ザ・スミス)、Blur(ブラー)にRadiohead(レディオヘッド)、Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)等、挙げればキリがないほど、特にイギリスの重要な音楽家達に多くの影響を与えてきた人です。

では早速2006年作『The Drift(ザ・ドリフト)』より1曲。
「何事ぞ!?」「まじか!」という瞬間が少なくとも2回は訪れるはずなので、是非体験してみてください。

Scott Walker – The Escape
Scott Walker – The Escape

簡単に経歴を書きますと、Scott Walkerは1944年アメリカ生まれの人ですが、1964年にGary Wallker(ゲイリー・ウォーカー)、John Wallker(ジョン・ウォーカー)と共に、The Walker Brothers(ウォーカー・ブラザース)を結成(ブラザーズと名乗っていますが兄弟ではありません)し、イギリスに渡りロンドンを拠点として、大ヒットを連発します。

日本、ヨーロッパ、オセアニア諸国でもアイドル的な人気を博し、当時はThe Beatles(ビートルズ)と人気を二分する程で、1967年には初来日し、不二家チョコレートのCMに出演するなど日本列島にも旋風を巻き起こしていた模様(流石に筆者もリアルタイムではない)。
同年春、Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)らとのイギリスツアー後にWalker Brothersは解散。
後に数回の再結成があるものの各自ソロ活動へと移行。

解散後もScott Walkerはイギリスに活動拠点を置き、1967年に1stソロアルバム『Scott』を発表。1968年の2nd『Scott 2』は全英チャート1位を記録。1969年にリリースされた3rdアルバム『Scott 3』も全英チャート3位を記録するヒットとなりました。
その後、『Scott Walker Sings Songs from his TV Series』を挟み、5thアルバム『Scott 4』がリリース。
これが当時セールス的に失敗。すぐに廃盤になったそうですが、その理由の一つとして、ステージネームの「Scott Walker」ではなく、本名の「Scott Engel(スコット・エンゲル)でリリースしたことがあるようです。後に「Scott Walker」名義で再発されるも入手がし難い作品で、今では最高傑作の一つに挙げられているという、ある種「伝説の作品」です。

1970年代に入り数枚のアルバムをリリースするも、チャートアクションは芳しくなく、1974年にカントリーベースの作品『We Had It All』をリリース後、次作『Climate of Hunter』がリリースされたのは1985年。その間11年。この作品は端的に言ってダーク。元々陰影に富んだバリトンボイスを聴かせる人でしたが、サウンド自体も結構ダークに。
大体この前後、1980年代のNew Wave期に出て来た後輩ミュージシャンからのリスペクトにより、再評価の機運が高まりました。

個人的にはこの『Climate of Hunter』と『Scott 3』『Scott 4』が再生回数的には多いです。

その次の『Tilt(ティルト)』は10年後の1995年リリース。
内容は一言で表すと暗黒音楽。今までとは段違いに聴く人を選びます。

1999年の映画『Pola X(ポーラ X)』のサントラを挟んで、2006年に発表されたのが『The Drift』。前作以上にアヴァンギャルドな暗黒音楽。
その中から【今日の1曲】「The Escape」を選曲しました。これでもアルバムの中では聴き易いというか聴き所が分かり易い楽曲で、この後に収録されている最終楽曲「A Lover Lovers」も「この手があったか」と唸らされる楽曲なので、興味を持たれた方はそちらも聴いてみて下さい。

なお、このアルバムの録音風景は、Scott Walkerを敬愛するDavid Bowieがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、本人も出演している、2007年公開の映画『スコット・ウォーカー 30世紀の男(原題:Scott Walker: 30 Century Man)』にて部分的に見る事が出来ます。

大体10年か11年周期のリリースパターン的に、『The Drift』の後は、2017年かと思われた新譜は、意外にも翌年2007年に『And Who Shall Go to the Ball? And What Shall Go to the Ball?』という意味深なタイトルでリリースされましたが、これはコンテンポラリーダンス用の全4トラック計25分ほどの作品で、2500部限定。一筋縄ではいかない人です。

で、フル尺のアルバムはやはり2017年ら辺かと思いきや、2012年にリリースされた『Bish Bosch(ビッシュ・ボッシュ)』これは『The Drift』以上に人を選ぶ音楽に進化していました。

翌々年の2014年には、こちらも暗黒音楽グループのSunn O)))(サン)との共作アルバムを発表。
これは割とポップな作品で、ソロ作品よりも聴き易いといえば聴き易いです。そこら辺の理由については、日本のAmazonの商品ページに大変分かり易く素晴らしいレビューが既に存在していますので、そちらをご参照下さい。

そして2016年に映画『The Childhood of a Leader』のサントラの発表、2018年にはナタリー・ポートマン主演の映画『Vox Lux』のサントラを半分程手掛けており、これが生前最後の作品になりました。

繰り返しになりますが、『The Drift』がリリースされた2006年には、次作は2017年、次が2028年、なんなら2039年には95歳になっても誰も追い付けない程のぶっ飛び作品のリリースがあるんじゃないか?となんとなく思っていました。
Scott Walkerって亡くならなそうなイメージがあったんですよね。

何せ『30世紀の男』です。
そう簡単には誰も追い越せなそうな作品群。
『Tilt』以降のものはだいぶ人を選ぶと思いますが、グループ時代含め是非色々聴いてみて下さい。

最後にWalker Brothers時代のヒット曲「The Sun Ain’t Gonna Shine Anymore(太陽はもう輝かない)」もどうぞ。

The Sun Ain't Gonna Shine Anymore Walker Brothers FULL SONG ReEdit Stereo HiQ Hybrid JARichardsFilm
Walker Brothers – The Sun Ain’t Gonna Shine Anymore

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