【今日の1曲】岡田有希子 – 花のイマージュ

昨日に引き続き、伝説のアイドル・岡田有希子。

花のイマージュ 岡田有希子
岡田有希子 – 花のイマージュ

没後30年に週刊朝日に掲載された記事で竹内まりやが語った岡田有希子への見解は、

「あの時代、単純にヒット曲の数や売上枚数でいったら、彼女を上回っていたアイドルはいたと思います。しかし爽やかに登場したあと、活躍の場を広げようとしている最中、たったの3年で姿を消した歌手は日本の歌謡史上でもいません。ファンに夢を運び、純粋にアイドルを応援する喜びもファンに与えましたが、同時にアイドルがアイドルでいることの難しさや孤独を投げかけた。いなくなってさらに存在が大きくなった希有な存在だと思います」

AERAdot.より引用

とのこと。

この見解を引用したWikipediaでは、改変とはいかないまでも?、部分的に少々言い換えられ、「シングルの売れ行きだけなら上回った人は何人もいる。しかし“さぁこれから”という時にたった3年で姿を消した歌手というのは空前絶後。」と記載されています。

確かに岡田有希子は『日本レコード大賞』最優秀新人賞をはじめ、デビューの年の音楽祭の賞を総なめにしてはいましたが、レコードの売上が突出していた訳ではありませんでした。

それは制作スタッフが急いで「派手な楽曲で一発」を狙うのではなく、丁寧に作品作りを行っていたから、というのが筆者の感じた印象です。

4年前の2015年に全56曲の音源がハイレゾ化された際、高音質の音楽ダウンロード・音楽配信サイトmora readingsがこれを記念し、当時のディレクターにインタビューをしたテキストが今でも閲覧出来るので、興味のある方は是非そちらを読んでみて欲しいのですが、簡単に書くと当時のポニーキャニオンの名物プロデューサー(GSバンド、ザ・ランチャーズの元メンバーだった)故・渡辺有三を始め、関わっていたスタッフが皆音楽好き、しかも特にコアな音楽が好きが揃っていた事で、昨日書いた通りの豪華で先鋭的な作家陣が起用されていたようです。

そして遂に1986年1月29日に発売されたシングル「くちびるNetwork」が、オリコンチャートで初登場1位となりました。
挑発的とも言えるえらい攻めた詞作をした「Seiko」とは松田聖子で、これが初の提供作品。作曲は坂本龍一、編曲はかしぶち哲郎というなかなか珍しい組み合わせです。

その後3月21日には昨日紹介した4thアルバム『ヴィーナス誕生』がリリース。

上の方で引っ張って来ました「“さぁこれから”という時」というのは、言い換えがあったのであれば、Wikipediaの編集を行った人の気持ちも分からなくはない、全くその通りで、楽曲が大人っぽくなり急激に声も艶が増し、チャートアクションも絶好調。まさに絶頂期に突入したと思ってしまうタイミングです。

そんな中、岡田有希子は4月8日、自宅マンションでリストカットを行いガス自殺未遂。一度は救出されるも、同日、 事務所の入っていたマンションの屋上からの投身により帰らぬ人となってしまいました。

後追い自殺する熱狂的ファンや若者の自殺が相次ぎ、非公式ながら一説ではその人数は30人以上にも及ぶ、とも言われています。

少し踏み込んだ話を持って来ますが、当日現場に居合わせた関係者が後に語った見解は、最初の未遂と最後の出来事は理由が異なるのではないか、というもの。つまりは、最初の未遂で「大変な事をしてしまった」という思いがパニックを引き起こし、その後の取り返しのつかないことになってしまったのではないか。という事でした。
確かにそんな気がしてしまいます。
この見解は、縁あって当記事をご覧頂いている方の、身近な人や自身に万が一でも何かが起きた際に覚えておいた方が良いと思い、ここに記しておきます。

5月14日に発売予定だったシングル「花のイマージュ」は発売中止になり、公式にリリースされたのは1999年。
13年もの間、封印される事となりました。

本来そんなに派手な楽曲を書く人ではないかしぶち哲郎が、作詞作曲に編曲と全てを手掛けた派手なポップ楽曲「花のイマージュ」。

二人にとって過去最大のヒットになった可能性を大きく秘めていたこの楽曲。イントロから非常にキャッチーで、歌詞はかしぶち哲郎らしいワードが散りばめられ、岡田有希子の歌唱も申し分無いもの。
ポップでありながら、二人が共にそれぞれ持っていたノーブルな雰囲気もほんのりと纏った傑作です。

同年の1986年11月にリリースされた、ムーンライダーズの80年代最後のアルバム『DON’T TRUST OVER THIRTY(ドント・トラスト・オーバー・サーティー)』録音時、かしぶち哲郎は体調不良で入院していた為、収録された単独作品は1曲のみ。
しかも本人によるボーカル録音が結局間に合わずインストでの収録になった、という事もありましたが、この体調不良には岡田有希子の急死の影響も少なからずあったのではないでしょうか。

あまり語られないように思いますが、かしぶち哲郎にしてもこの一件には遣る方無い思いがあったであろう事は想像に難くありません。

悲しい運命を背負った「花のイマージュ」。
是非聴いてみてください。

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