【今日の1曲】ムーンライダーズ – トンピクレンッ子

ムーンライダーズ第6弾。

ここまでメンバー1人ずつをフューチャーしてきましたが、本日ラスト、ギタリストの白井良明(しらい りょうめい)が作詞作曲し、ボーカルも担当している楽曲をご紹介します。

Moonriders – Tonpikurenkko
ムーンライダーズ – トンピクレンッ子

完成後に発売中止になった『MANIA MANIERA(マニア・マニエラ)』の直後に短期間で制作され、1982年にリリースされた『青空百景(あおぞらひゃっけい)』に収録の「トンピクレンッ子」。

ここまで割と二枚目寄りの楽曲を取り上げて来ましたが、これは明るくアッパーで三枚目寄りな印象の楽曲。

これが「バック・シート」や「滑車と振子」と同じバンドが演奏しているのだから、その振り幅の広さたるや大変なものがあります。

「トンピクレン」とは江戸言葉(江戸弁)で、そそっかしい、粗忽者(そこつもの)という意味なのだそう。
墨田区出身で生粋の江戸っ子である白井良明は、ムーンライダーズに唯一途中加入したメンバーで、初代ギタリストの椎名和夫の脱退に伴い1977年に加入しています。

リーダー鈴木慶一の言をWikipediaから引用すると、

「彼の明るさと勢いがムーンライダーズを変えた」と鈴木慶一をして言わしめるほどに、目立ちたがりでやんちゃなステージングとギターサウンドで、バンドの人気上昇に貢献した。

Wikipediaより

今回はアッパーな楽曲を取り上げましたが、それだけではなく、幅広い楽曲を書く人でもあります。また、多岐に渡るプロデュースワークも完成度の高いものが多いです。

しかしこうやって鈴木慶一以外のボーカル曲を聴いて思うのは、当たり前ながらそれぞれの声質に特徴があるという事。

これ筆者だけかもしれませんが、昔からムーンライダーズの曲を頭の中で再生させる時に、鈴木慶一の声だけパッと出てこない。
超インパクトのある岡田徹の声は勿論、かしぶち哲朗のダンディな感じや、武川雅寛のハンサムな感じ、少し苦味というか渋みのある鈴木博文に、ヤンチャ感のある白井良明。

それに比べて鈴木慶一の歌声って絶妙に印象に残らない。
『MODERN MUSIC(モダーン・ミュージック)』や『CAMERA EGAL STYLO / カメラ=万年筆』でのしゃくり上げる様な歌唱法の部分や、『MANIA MANIERA(マニア・マニエラ)』でのエフェクトを掛けたボーカルの抑揚はすぐに思い起こす事が出来るものの、それは声質ではなくてあくまで歌唱法だったりエフェクトの効果。

実はムーンライダーズが売れなかった1番の要因は、鈴木慶一の声質にあるのではないか、と思ったりもします。

えぐみやクセ、下世話さや強い特徴を持たない。
逆に言えば物凄くニュートラルで汎用性があり、どんな楽曲にもハマる。飽きない。
ある意味、最も深みがある声質なのかも知れません。

鈴木慶一以外のメンバーがメインボーカルを取る楽曲のボーカルを鈴木慶一に置き換える事は容易でも、その逆は結構人を選ばないと成り立たないような。

バンド外にまで話を広げて、例えば元はっぴいえんどの大瀧詠一や細野晴臣のような強い個性のある歌声では、ムーンライダーズの楽曲の大半は成り立たないようにも思うのですが、これはあくまで筆者の個人的な印象だという事を、念を押して繰り返し述べておきます。

色々考察しては面白さの尽きない世にも稀な音楽集団。
是非色々聴いてみて下さい。

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