【今日の1曲】ムーンライダーズ – Kのトランク

昨日に引き続きムーンライダーズ第2弾。
本日はキーボード奏者・岡田徹が作曲した楽曲「Kのトランク」を紹介します。
が、その前にまずはこちらをお聴き下さい。

a-ha – Take On Me (Official Music Video)
a-ha – Take On Me (Official Music Video)

ノルウェーのバンドa-ha(アーハ、またはアハー)が1985年に発表したシングル曲で、世界的に大ヒットした代表曲。
これは多分あんまり音楽に関心のない人でも何となく耳にしたことがあるのではないでしょうか。なんとなく朝の情報バラエティー番組とかで掛かっているようなイメージもあります。

上記PV動画が10億回再生に達するのも時間の問題だと思われる、未だに大人気の楽曲です。

続きましてムーンライダーズ「Kのトランク」

Kのトランク(音声のみ) – MOON RIDERS.wmv
ムーンライダーズ – Kのトランク

多くの人がこれを聴いて、「サビ、a-haのパクリじゃね?」
と思うのではないかと想像してしまうのですが、この「Kのトランク」が冒頭に収録されたアルバム『MANIA MANIERA(マニア・マニエラ)』が発表されたのは1982年。a-haより3年先です。

作詞は佐藤奈々子によるもの。この人については結構色々なトピックスがあるので、詳しくはまた別の機会に書こうと思いますが、学生時代から一緒だった佐野元春とのコンビでシンガーとしてもデビューしていたりする人です。
「Kのトランク」のKとはムーンライダーズのメインボーカルでリーダー・鈴木慶一のイニシャルとのこと。

個人的には、a-haより攻めたアレンジで聴き応えのある楽曲だと思いますが、如何でしょうか?

こちらPVも作られておらず、シングルカットもされておりません。それどころかこの作品は、

当時まったくといってもいいほど普及していなかったCDのみのリリース。プレス枚数は200枚とも300枚とも言われ、このオリジナル盤はメンバーすら所有していない。その後、冬樹社よりカセットブック、T.E.N.T/ポニーキャニオンからアナログ盤、CDが発売された。

アルバムのコンセプトは『労働』など。難解すぎてレコード会社からクレームが来て、発売中止になったとされているが、圧力はあったものの、時代に合わないとの理由で、最終的には自分たちで発売中止を決めている。その方がかっこいいからとも後に語っている。このため、前作『青空百景』よりも制作時期は早く、1981年から始まっている。

Wikipedia引用

というシロモノで、ブックレットとカセットテープが箱に入れられ、主に書店での取り扱いだったカセットブックの発売が2年後の1984年、ようやくレコードで発売されたのが1986年という、完成後2年から4年もの間、ほぼお蔵入り状態の作品だった訳です。

で、LPレコード発売の同年にシングルカットされた楽曲は、作詞を糸井重里が手掛けた「花咲く乙女よ穴を掘れ」という結構な捻くれ楽曲でした。感慨深い良曲ではあるけれど、シングル向きかと言えば決してそうではないようなチョイス。
個人的には、a-haが既にヒットしていたのだから敢えてそれにかぶせても良かったんじゃないの?とも思いましたが、そういう販売戦略は取られず。

昨日、ムーンライダーズの評価がちゃんとなされておらん!けしからん!うおー!みたいな事をちょっと書きましたが、今一つ一般層まで訴求しなかった事については、本人達及び周りのスタッフにも多少の責任はあったと思っています。

改めてシングル盤のリリース一覧を見ていて思うのは、

  • シングルとしてリリースする曲の選定が初期と一部除き微妙で、売るに当たっての力の入れ所がなんかズレてる。
  • バンドが一番脂の乗りきった時期のピークが80年代で、活動再開後のCDバブル期の90年代には調子が今一つだった。

というものです。

ついでにアルバムで言うと、

  • 昨日取り上げた『モダーン・ミュージック』と、この『マニア・マニエラ』の間(正確にはリリースが前後した『青空百景』の間)にリリースされた1980年作品『CAMERA EGAL STYLO / カメラ=万年筆(カメラ・エガール・スティロ / カメラ・イコール・まんねんひつ)』の方が余程難解と言うかポップ成分少な目で、結構な問題作。数曲除き初心者が早い段階で手を出さない方が良い、いわゆる地雷盤と言っても過言ではない内容。
  • レコード会社の移籍が多かったせいもあり、ちょっとしたベスト盤が多い。選曲が謎。
  • CDが一番売れていた90年代に過去作をCD化した際の仕様が酷く、廉価版として出ていたCD選書の作りがショボ過ぎた。

ライブで言うと、

  • 鈴木慶一が難聴発症の為、元々そこまで安定していなかったボーカルが更に不安定に。なので多分、特に筆者の印象では00年代以降の動画をYouTube等で見ても、今一つ魅力が伝わり難い。

…等。挙げようと思えばまだまだ挙げられそうですが、ここで一旦止めます。

文章の構成メチャクチャになっておりますが、なんかこう色々と、わざと売れないようにしているかのような歴史が連なっております。難聴は仕方の無い不幸な出来事ですが。

とは言え、1982年に「Kのトランク」がシングルカットされていたとしても、大してヒットしていなかったような気もする…。

運命論のような占い師なんかが使いそうなワードを用いると、結局ムーンライダーズはそのバンド名の通り、月の属性なのでしょう。日中に輝く太陽ではなく、夜に浮かぶ月。実は昼間にも出ていても、薄らとしていて存在感をアピールしない月。

でもヒットが出なかった事で、結果、今現在我々が聴く事が出来る豊潤な楽曲群とキャリアが形成されたので、個人的にはこれで良かったと思うし、こうとしかなりようが無かったのだろうな、とも思っていたりします。これでも十分過ぎる程です。

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