【今日の1曲】キリンジ – 耳をうずめて

昨日に引き続きキリンジ
兄弟時代から現在の5人編成KIRINJIまでのキャリア全体の中で、筆者が個人的にこれがぶっちぎりで1番だと思うフェイバリット曲をご紹介します。

耳をうずめて  キリンジ
キリンジ – 耳をうずめて

兄弟時代のキリンジが1999年にリリースした2ndアルバム『47’45″』に収録された楽曲。

作詞作曲は兄・堀込高樹によるもの。
1stアルバム『ペーパードライバーズ・ミュージック』ではそこまではっきり分かれていなかった兄弟それぞれの個性が、この2ndからは色濃く現れ始めた印象で、昨日取り上げた4th収録の「フェイバリット」や3rdの「エイリアンズ」、「アルカディア」等のざっくり乱暴にまとめると、安定した良い曲だったり、割と地味ながら少し捻くれた良い曲を作るのに対し、兄は題材からして毒気の多いシニカルな楽曲や、何気に攻めた実験的とも言える楽曲を多く書くようになります。

兄弟揃って、普通のポップソングのよくある語彙の範疇からはみ出した言葉を用いた歌詞が多いのですが、兄は弟よりもひと回りふた回りくらい広く、ここでしか見ないような詞作が多く成されております。

で、この「耳をうずめて」。
ちょっと聴き取りだけではなかなか何を歌っているのか分かりにくい詞作なので、是非歌詞を見ながら聴いてみてほしいところです。動画はライブ映像のものがありましたが、まずはアルバム収録のスタジオ版の方が良いと思います。

歌詞は聴き取れてなんぼ、それこそ忌野清志郎のように平易な言葉使いで多くの意味を伝達するが正、難解な言葉使いはよろしくない、という意見もあるかと思いますが、この楽曲に関して、特に終盤のイマジネーション溢れる豊穣な映像を喚起させるようなこの言葉の配置は、これでしか表現し得ない大変に素晴らしいものだ思います。

歌詞のみならず、勿論メロディーや演奏もまた、大変に素晴らしいものです。
決して派手な楽曲ではありませんが、兄の実験精神と才気と珍しく全開になった抒情性が結実し、静かに炸裂した大傑作曲。

これちょっとうろ覚えながら、このアルバムが出た年の年末か翌年の年明けかのインディーズ系の音楽雑誌にて、色々なミュージシャンがその年のベストアルバムやベストソングを発表するという毎年恒例な企画があり、シングル曲ではなくアルバム収録曲であるにも関わらず、ピンポイントでこの「耳をうずめて」を選んでいるミュージシャンが複数居たのを覚えています。それが誰だったかも覚えていれば良かったのですが、そこは失念。

その凄みが分かる人にはとても響く楽曲なのだと思います。

そういえばこの手の同業者アンケート系企画ってあんまり見なくなったような気がしますね。雑誌自体が減ったからなのか、Webに移行したのを発見出来ていないのか、たまたま見つけられないだけなのかもしれませんが。

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