【今週の3曲】フリクションの3曲

昨日は渋谷PARCO新装オープンという事で、ROSSOを取り上げましたが、今回はROSSOの第二期に参加していたドラマーのサトウミノルとギタリストのイマイアキノブが在籍していた事もある、日本のロックバンド・フリクション(Friction)を紹介します。

Friction – Time Smoke (1980)
Friction – Time Smoke

エレキギターやエレキベース、ドラムセットといった楽器の形状の格好良さに比べて、いわゆるロックバンドの音楽って何でこんなに格好悪いものだらけなのだろう?と思う事ってありませんか?

そうではないロックバンドというのも僅かながら存在していて、その代表格がフリクション。

ざっとデビューまでの略歴を書くと、前身バンド3/3が10枚限定のアルバム『3/3』をリリースしたのが1975年。
その後1977年に中心人物でベーシスト(3/3時代はギター)のレックと初代ドラマーのチコ・ヒゲがNYへ渡り、現地のバンドTeenage Jesus and the Jerks(ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス)やContortions(コントーションズ)に参加。前衛・アヴァンギャルド寄りのムーブメント『No Wave(ノー・ウェーブ)』を体験し、帰国。
帰国後、1978年フリクションを結成。ギタリストのツネマツマサトシ(恒松正敏)が加入。
1979年、オムニバス・アルバム『東京ROCKERS』に2曲参加。1stシングル「Crazy Dream」を発売。
1980年、坂本龍一のプロデュースによる1stアルバム『軋轢』、シングル「I Can Tell」でメジャーデビュー。

で、『軋轢』。これは日本のロック名盤ベスト100的な企画では大体上位に来る定番作品ですが、これちょっと賛否両論まではいかないものの、「フリクションはライブではもっと凄かった」「魅力が十分にパッケージングされていない」という声が少なからず上がる作品でもあります。

これはこれで十分に格好良いとは思いますが、結局筆者も聴く回数が多いのは同時期の2枚のライブ盤『LIVE 1980』と『’79 Live』です。
先の動画にある「Time Smoke」という楽曲は『LIVE 1980』に収録されています。ちなみに『LIVE 1980』は廃盤になっているようで、現在は『ライヴ PASSツアー1980』として出ている模様。

聴けばわかる通り、演奏者の絶妙なセンスにより楽器のフォルムの格好良さすら越えて来る位の演奏です。いきなりフルスロットル。

売れる/売れないで考えれば、特にメジャーのレコード会社から出ている作品の多くは、メロディーとメッセージが主で、それに対し楽器類はあくまで歌を聴かせる為の従属関係に甘んじるしかないものが大半なのも、ある程度仕方ないのかな、という気もしますが、そればっかりでは如何せんつまらない。
やっている方も音楽ってそういうものでそれがロックだと思っているのでは無知過ぎるし、想像力が無さ過ぎるのでは。

で、フリクションの話に戻ると、1980年のデビュー作リリース後、キレッキレのギターを弾いていたツネマツマサトシが同年早々に脱退し、別バンドE.D.P.S(エディプス)を結成。
E.D.P.Sの方も大変素晴らしいバンドで、ツネマツ脱退後に音楽性がポストパンク寄りに変化してゆくフリクションよりも、ある意味元のフリクションっぽさがあると言えるかも知れません。かなり大きな部分を占めていたギターなので、当然と言えば当然ですが、暖簾分けみたいなイメージがありました。
基本的な身体リズムとでも言うような感覚的なものがレックとツネマツとで共通しているように思います。よくこの二人が同時に居たな。

以後メンバーの変遷が色々とあるのですが、Wikipediaにわかりやすくまとまっていたので、そちらを見てみてください。

本日の2曲目は1988年にリリースされた、フルアルバムとしては3枚目にあたる『Replicant Walk(レプリカント・ウォーク)』に収録された「GAPPING」

Friction GAPPING
Friction – GAPPING

の、TV出演時の動画。よくこれあったなー。
ホストを務めているのはトランペッターの近藤等則。
レックは近藤等則のバンド「近藤等則&IMA」にベーシスト&ギタリストとして参加していたりもします。

全開で突っ切る「Time Smoke」とは違って、こちらは反復しながらだんだんと高まってゆく感じ。フリクションの歴史の中でも珍しいキーボード入りの4人編成。
中盤以降キーボード効きまくりですね。
ドラムは先述のサトウミノル。

本楽曲が収録された1989年のライブ盤『Dumb Numb CD』もあるので、スタジオ版と聴き比べてみるのも良いと思います。

最後3曲目。
2006年以降、元BLANKEY JET CITY(ブランキー・ジェット・シティ)のドラマー中村達也とレックの2人編成となったフリクションによるパフォーマンス。

Friction – Break Neck

この「Break Neck」という楽曲は1995年にリリースされた通算4枚目のフルアルバム『Zone Tripper(ゾーン・トリッパー)』に収録されたもの。
この時期にはサトウミノル、イマイアキノブが揃って在籍していました。
このアルバムはかなりの傑作で評価も高く、うろ覚えですがミュージックマガジンの年間ベストアルバムでも1位か2位とかに選ばれていたような気がする。個人的にも聴いた回数では初期のライブ盤2枚に次いで多いです。

このパフォーマンスに関してですが、ドラムとベースだけなのに何も足りないと思わせない仕上がり。スタジオ版ではイマイアキノブがギターで弾いているフレーズもベースで再現していたり。
レックは元々ギタリストとしても非凡で、3/3時代の演奏からして聴き応えがあります。
Apple Musicをざっと見た感じ、フリクションは『Zone Tripper』以外はライブ盤含め大体の作品があり、『3/3』もフツーにありますのでこちらも聴いてみると良いと思います。

2013年頃から活動が空白になっていましたが、昨年からまたライブを行なっているので、気になった方は是非。

あとは出来れば新作が聴きたいところです。もう10年出ていないんですね。

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