【今日の1曲】中森明菜 – 愛撫

昨日に引き続き中森明菜。
今日は一気に10年半が経過して1993年の楽曲を紹介します。

明菜 愛撫
中森明菜 – 愛撫

前作『CRUISE(クルーズ)』からおよそ4年2か月ぶりの、1993年9月22日にリリースされた通算15枚目のアルバム『UNBALANCE+BALANCE』(アンバランス・バランス)。その間色々芸能史に残るトラブルがあり、ここまでインターバルが空いたのは初めての事。

このアルバムのリードトラックとしてプロモーション時に扱われていたのが、【今日の1曲】小室哲哉による楽曲「愛撫」。
アルバム発売から約半年後の1994年3月24日には「片想い」というカバー曲と両A面でシングルカットもされています。

アルバム発売の初出時がTKブームの始まる少し前の時期に当たり、シングル発売の頃になるとtrfがブレイクし始めた時期に当たりますが、このシングルカットの「片想い・愛撫」はそれなりのヒット、という感じ。アルバムよりも先行でシングルリリースしていればだいぶ結果は違ったのではないか?と今でも思うところです。

個人的にこの楽曲の大きなトピックスは、ライバル・松田聖子の黄金期のブレーンであった松本隆による歌詞。1991年の「二人静 -「天河伝説殺人事件」より」に次ぐ2曲目の提供。

ライバル関係とは言え別に両陣営が真っ二つに別れて競いあっていたわけではなく、小室哲哉は松田聖子にも曲を書いていたし、来生たかおにしても原田真二にしてもそうで、林哲司もそう。
松本隆と同じ元「はっぴいえんど」組の細野晴臣もそれぞれに楽曲を提供しており、他にも両方に関わっている作家は複数人います。

それでもやっぱり「プロジェクト松田聖子」のコアメンバー・松本隆による歌詞の内容には少なからず驚きがありました。その当時の中森明菜の心境を見事に描いた様な、実際どうかは不明ながら、いかにも聴き手がその様に想像せずにはいられない詞作は流石の一言で、膨大な数の作品を持つ松本隆のキャリアの中でもかなりの上位に位置するものだと思っています。

それは同様に小室哲哉の作編曲にも思う事で、こちらも膨大な作品数を持つキャリアの中で屈指のもの。

この楽曲を聴いていると勝手な想像ながら、色々と意義深いと言うか後年の出来事を結び付けてしまうと曰く付きとも言える「難破船」が文字通り沈んでしまってから、ずっと重くあり続けた中森明菜の業の様なものが、燃えて昇華されてゆく様な気さえしてしまう。松本隆はそれをさせたかったのではなかろうか、と思う。
小室哲哉のサウンドだけ取り出したら結構軽めの音なのに、絶妙なメロディーラインに導かれたボーカルは唯一無二。

重さと軽さのバランスが絶妙な、まさに三者の化学反応で表現された名曲。

…物凄い余談ですが、「難破船」って華原朋美もカバーしていたりするんですよね…。

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