【今日の1曲】スピッツ – 魔法のコトバ

基本的に当サイトの【今日の1曲】なり【今週の3曲】は、何となーく前日に選曲した楽曲からの連想ゲーム方式で選曲している事が多いのですが、昨日の宮本典子から何故にスピッツ?なのかと言いますと、周辺人物に関して知識のある人はお気付きの通り、宮本典子の作品に作曲や編曲、演奏で参加していた「鈴木勲グループ」の鍵盤奏者だった笹路正徳が、後にスピッツのブレイク期(4thアルバム『Crispy!』〜7th『インディゴ地平線』まで)のプロデュースを手掛けたから。

というのもありますが、直接的にはこれ↓

宮本典子 エピローグ
宮本典子 – エピローグ

1979年8月13日放送の『夜のヒットスタジオ』出演の動画。
これイントロが思いっきり「ま〜ほ〜のコートバー♩」なんですよね。
作詞はユーミン、作・編曲はCharの「気絶するほど悩ましい」等でも知られる梅垣達志によるもの。
この楽曲は昨日紹介した林哲司版「シルバー・レイン」と同じく、宮本典子の3rdアルバム『RUSH(ラッシュ)』(1980年作品)に収録されています。

ただアルバムに収録されているバージョンと、この動画のバージョンとではアレンジが若干異なるので、今回この動画を見るまで冒頭いきなり「魔法のコトバ」な印象はありませんでした。

一応、念の為書いておきますと、特にこれはパクったとかそういう事ではなく、ただの偶然だと思います。
「魔法のコトバ」はスピッツの曲の中でも「冷たい頬」にちょっとだけメロディーが似ていたりもしますしね。

スピッツ / 魔法のコトバ
スピッツ – 魔法のコトバ

本題に入りまして、この「魔法のコトバ」は2006年に発表された31枚目のシングルで、12枚目のアルバム『さざなみCD』(2007年作品)に収録されています。

現在スピッツは丁度新作アルバム『見っけ』のプロモーション期間のようで、色々とTV出演をしています。先週テレビ朝日の『関ジャム』ではスピッツの特集を放送しており、その中で草野マサムネの歌詞の特異性ーー「性」と「死」(「輪廻」でしたっけ?)が大体の曲に含まれているーーとかそんなような分析があったような気がしますが(すみません、ながら見だったのでうろ覚え)、それで言えばこの曲の歌詞は「性」的な要素はなく、「死」(なり「輪廻」)の方は聴きようによっては多分に含まれているようで、進学や就職で地元を離れた学生や新社会人の心情から、二度と会えない相手への想いまで、対象者が恋人でも友人でも家族でも当てはまる、聴き手のそれぞれの大切な人との想い出を揺さぶる、大変に優れたものだと思います。

パッと聴きは優しい楽曲で、これ以上突っ込んで歌詞の解釈を書くのは野暮かなーと思いつつも少し書きますと、「魔法のコトバ」なんぞや?を考えれば、それは多分結構カジュアルなもので、歌詞中にある「語り合った 下らないアレコレ」の中にあるであろう、例えば思い出の映画やドラマのセリフでもコントのやり取りでも歌詞の一節でも、ぬいぐるみに付けた名前とかでもいける汎用性の高さ。からの、「二人だけには分かる」の特別さ。
サビのこの一行だけで凄い。

そこに不穏さを演出する、”泣きながら目覚めて”だったり、”また会えるよ「約束しなくても」”という一言だったり。これは約束できなかった、とも取れますよね。
更に最後「会えるよ」を2回も繰り返されると、途端に現実的に会える距離感の二人では無くなってしまうようです。

上述のスピッツの歌詞の2つの要素のうち、「性」的要素が入ると結構グチャっとしてくるというか、どうしてもぼやかしたり一般的ではないものの例えを用いたりで分かりにくいアブストラクトな表現になりがちな印象ですが、この楽曲は平易な言葉と表現を用いることでシンプルな作りでありながら、物凄い強度を持った言語表現の満点回答だと思います。誰も形に出来なかったものを形にしたような。

メロディーも迷いが無くストレートなもので、主張し過ぎないストリングスによる演出も効果的。
「魔法のコトバ」が出るまでは「チェリー」がスピッツの最高傑作だと思っていましたが、「魔法のコトバ」は「チェリー」とテーマはほぼ同じでありながら、エピソード的な部分やふんわりして横に広がった部分をギュッと凝縮してその分少し縦に長くなったような印象を持っています。
個人的にこれがスピッツの最高傑作です。

メンバー4人が並んでギター&ベースを弾くPVもキュートで良いですねー。

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