【今週の3曲】宮本典子 – 2つの「シルバー・レイン」と「やりかけの人生」

一昨日昨日と2日連続で加藤和彦(が安井かずみと共作した)ソロ作品を紹介しましたが、本日は加藤和彦のプロデュース作品から、まずは1曲紹介します。

ジャパニーズR&Bディーヴァの先駆けとされる宮本典子の4thアルバムで、1981年にリリースされた『NEW ROMANCE(ニュー・ロマンス)』より、アルバムのラストに収録された「SILVER RAIN(シルバー・レイン)」

宮本典子 – Silver Rain
宮本典子 – SILVER RAIN(加藤和彦)

全編ドイツのミュンヘンで録音された、というのがいかにもあの時代の加藤和彦らしいところです。
作詞はこちらも安井かずみ。編曲は加藤和彦と共同で清水信之(前に紹介した安部恭弘の楽曲NOKKOの「人魚」もこの人が関わっています)によるもの。

途中入るダブっぽい効果音が印象的なNW(ニュー・ウェーヴ)が入ったクールな歌謡R&Bといった趣きの良曲です。

昨今のシティポップブームの以前からこの手の音楽を長くやっている一十三十一(ひとみとい)がこの楽曲をカバーしています。
余談ですが、一十三十一のお父さんが経営しているスープカレー店「マジック・スパイス」美味しいですよね。知らずに初めて訪問した時、やたらと一十三十一のポスターやCDが置いてあったのが印象的でした。

さて、掲題の『2つの「シルバー・レイン」』ですが、これどういう事かと言うと、チョー紛らわしい事に宮本典子にはもう1曲、全く別の「シルバー・レイン」という楽曲が存在しているのです。

シルバー・レイン
宮本典子 – シルバー・レイン(林哲司)

こちらは作曲と編曲を林哲司(今まで取り上げた楽曲だと杉山清貴&オメガトライブ「ふたりの夏物語」原田知世の「天国にいちばん近い島」松原みき「真夜中のドア〜Stay With Me」)が手掛けており、作詞は演歌畑の荒木とよひさが手掛けています。

林哲司が得意とするライトメロウな楽曲で、一十三十一が「シルバー・レイン」のカバーをすると知った時、てっきりこちらの林哲司版だと思ってしまいました。
どちらかと言うとこちらの方がキャッチー。

1980年にリリースされた3rdアルバム『RUSH(ラッシュ)』の冒頭を飾る楽曲で、順番的にはこちらが先。加藤和彦版が後。
なのですが、2013年に放送されたラジオ番組を書籍化した『永遠のザ・フォーク・クルセダーズ ~若い加藤和彦のように~』を読むと、高橋幸宏の話の中で、自身が参加した『ガーディニア』(1978年作品)に何故か収録されなかった「シルバーレイン」という楽曲が存在したとのこと。これが宮本典子に提供した楽曲と同じものなのかは不明ですが、なんにせよどちらもそれぞれ全然違った良さがありますね。
しかし同名異曲を持っている歌手って他に聞いたことがないような。

最後にもう1曲、昨今のシティポップブームで再発見された宮本典子の人気楽曲を紹介します。

宮本典子Noriko Miyamoto) MY LIFE~やりかけの人生~(1978)
宮本典子 – MY LIFE~やりかけの人生~

1978年のデビュー作で、ジャズ・ベーシストの鈴木勲(先月取り上げたK-BOMB(aka KILLER-BONG)と近年共演しています)がプロデュースを手掛けた『PUSH(プッシュ)』のラストに収録された楽曲「MY LIFE~やりかけの人生~」

いわゆる「和モノ」R&Bの人気アルバムとしてプレミア価格で取引されているレコードです。鈴木勲をはじめ、ギターの秋山一将、ピアノの笹路正徳ら一級ジャズ・ミュージシャンの演奏も聴き物。

この楽曲は笠井紀美子や、珍しいところで女優の高岡早紀のカバーバージョンも存在しており、それぞれなかなか聴き応えがあるので興味が湧いた方は是非探してみてください。

宮本典子は日本での音楽活動を止め、アメリカに渡りmimi名義で活動をしています。
もう完全に洋楽ですがそちらもかなり良いのでR&B好きには特にお勧めです。

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