【今週の3曲】3種のAcross The Universe

先週「Moon River(ムーン・リバー )」を取り上げまして、主観ながら「Moon River」に決定版は存在しない旨を書きましたが、本日取り上げるThe Beatles(ビートルズ)の楽曲「Across The Universe(アクロス・ザ・ユニバース)」もまた、決定版が存在しない楽曲の一つではないかと思っております。

John Lennon(ジョン・レノン)作詞作曲で、1968年に録音されたもののしばらく未発表状態で、初出は1969年に発表されたWWF(あのパンダマークの団体)のチャリティ・アルバム『No One’s Gonna Change Our World(ノー・ワンズ・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド)』に収録されたもの。
その後、1970年に発表されたThe Beatlesの13枚目にしてラストアルバム『Let It Be(レット・イット・ビー)』に収録されています。

Across The Universe (Remastered 2009)
The Beatles – Across The Universe

この楽曲の歌詞に関してJohn Lennonは当初「書いた中で最高の歌詞だ」と語っていたり、後年にはそうでもないような事を語っていたりで、自己評価が変化した?ようですが、編曲に関しては一貫してガシッと決まらなかったようです。
ビートルズマニアは世界中に沢山居るので、調べれば細かなレコーディング情報も大体出て来ます。手軽なところでWikipediaをあたると、WWFバージョンは野生動物保護のコンセプトに合わせて鳥のさえずりや羽ばたきの音を追加していたり、居合わせたファンによるコーラスが追加されていたり。このバージョンに関してJohn Lennonは不満だった模様。

『Let It Be』のバージョンはプロデューサーのPhil Spector(フィル・スペクター、2019年現在殺人罪で服役中)が元の音源のテープ回転数を落とし、つまりややスローテンポにして、女性コーラスやオーケストラをオーヴァー・ダビングしていたり。
2003年に発売された『Let It Be… Naked(レット・イット・ビー…ネイキッド)』では上記のPhil Spectorが施したアレンジをカットして、テープの回転数を元に戻していたり。

と、公式で出ているだけで上記3種類と、他に最初期の別テイクがあったりもします。一番有名なのは『Let It Be』のバージョンですが、これが決定版という感じもあまりしない。他の人がどう感じるかは分かりませんが、どこと無くデモ感が抜けない印象なんですよね、この楽曲。それに色々施したり、素に戻したりしてみました(『Let It Be… Naked』)。みたいな。でもそのユルさ含めて傑作。みたいな。

Beatlesナンバーはただでさえ沢山のカバーがありますが、この「Across The Universe」は多少なりとも筆者と同じような印象を持っているのなら、特にカバーのし甲斐がある楽曲なのではないでしょうか。

という事でカバーその1。
米国のシンガーソングライター、Fiona Apple(フィオナ・アップル)が映画『Pleasantville(邦題:カラー・オブ・ハート)』(1998年公開作。日本は1999年公開)の主題歌としてカバーしたバージョン。

Fiona Apple – Across The Universe
Fiona Apple – Across The Universe

これPVも良いですねー。
まさに今、リアルタイムナウで上陸寸前の台風19号で、こうならない事を願うばかりですが。

当時のFiona Appleって、今で言うBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)のような存在でしたねー。
椎名林檎が出てきた時は、日本でもアップルが出てきたなー。という印象でしたが、椎名林檎が順調にキャリアを積んでいくのに対し、Fiona Apple寡作ですよね。1996年のデビュー作から現在までで4枚。
そろそろ新作出たりしないのかな?

カバーその2。
こちらも米国のシンガーソングライター、Rufus Wainwright(ルーファス・ウェインライト)が映画『I Am Sam(アイ・アム・サム)』(2001年公開作。日本は2002年公開)の挿入歌としてカバーしたバージョン。

Rufus Wainwright – Across The Universe
Rufus Wainwright – Across The Universe

この『I Am Sam』という映画は、Sean Penn(ショーン・ペン)演じる知的障害を持つ父親と、Dakota Fanning(ダコタ・ファニング)が演じる幼い娘とのドラマで、ビートルズナンバーがストーリーにおいても効果的な使われ方をしています。

Wikipediaにこの辺の事情がまとまっているので引用。

この映画には、多くのビートルズの楽曲が使われている。これは、取材先の障害者施設の利用者の多くがビートルズが好きであったためである。しかし、ビートルズの楽曲を使うには膨大な予算が生じてしまうため、多くの豪華アーティストによるビートルズのカヴァーを行ったが、逆にそれが話題となった。

Wikipediaより

これは大変聴き応えのあるサントラなのでおすすめです。
ちなみにこのPVに出ている女の子は娘役を演じたDakota Fanning。
Dakota Fanning効果でこれも良いPVですね。

Rufus Wainwrightはオリジナルアルバムにハズレ無しの人ですが、映画製作側からの依頼でオリジナルのテンポを順守しなくてはならないという縛りのある中でも、らしさが現れる、朗々とした歌唱が良いです。

どちらのカバーもオリジナルとはまた違ったそれぞれの魅力があります。

他にもDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)が1975年のアルバム『Young Americans(ヤング・アメリカン)』でソウルフルなカバーをしていたりします。
このカバーにはJohn Lennonがギターとコーラスで参加。

そういえばDavid Bowieは、ここ数日取り上げていた坂本龍一と映画『戦場のメリークリスマス』で共演していましたね。

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