【今日の1曲】坂本龍一 – 美貌の青空

昨日からの何となくのタイトル繋がりで、本日は坂本龍一の楽曲「美貌の青空」を紹介します。

美貌の青空 (Original)
坂本龍一 – 美貌の青空

丁度1週間前にもMorelenbaum2/Sakamoto名義によるAntônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)のカバー音源を紹介しましたが、今回は坂本龍一ソロ名義の自作曲。

初出は1995年のアルバム『Smoochy(スムーチー)』に収録されていたもので、売野雅勇(以前、吉川晃司と大村雅朗の楽曲を紹介した際に軽く紹介しました)による歌詞がついており、坂本龍一本人がボーカルをとっている数少ない楽曲の一つ。
後にリアレンジされたバージョンも発表されますが、本人によるボーカルはこの初出のバージョンのみ。

ところでこの大変詩的で蠱惑的な題名「美貌の青空」ですが、これを発明したのは坂本龍一でも売野雅勇でもありません。
オリジナルは舞踏家で暗黒舞踏の始祖、土方巽(ひじかた たつみ、1928年3月9日 – 1986年1月21日)。
死後、ちょうど1年後の1987年に発売された著書のタイトルにもなった、生前の土方巽が書いた文章の中にある言葉です。

「美貌」という表現を人物や生物以外に用いた例は、1957年の日本映画『美貌の都』がありますが(出演者の宝田明が歌う同名曲と、中島みゆき&筒美京平が郷ひろみに書いた同名異曲もあり。この郷ひろみの楽曲は筒美京平と坂本龍一が編曲を手掛けていたりする)、形を捉えきれない「青空」を「美貌」と連結させスパークさせるのは、これぞまさに詩人の業。

そんな素晴らしい発明品をタイトルに拝借したこの楽曲、1995年のバージョンはhiphopを取り入れたリズムトラックにMorelenbaum(モレレンバウム)夫妻のチェロとコーラス、日本人女性を含むNYのロックバンド Blonde Redhead(ブロンド・レッドヘッド )のAmedeo Pace(アメデオ・パーチェ)と、坂本龍一作品ではお馴染みのArto Lindsay(アート・リンゼイ)の2人によるギターが加わります。が、いわゆる普通のギターらしいギターの音はあまりしません。ループになっているカッティングと、間奏とところどころで「ああ、Arto Lindsay居るなー」って感じです。今手元にCDがないので詳細不明ですが、軽めの低音もギターかも。
余談ながら、Blonde Redheadのバンド名はArto Lindsayのキャリア最初期のバンドDNAの曲名から取ったもの。ちなみにDNAにも日本人女性メンバーが居ました。

売野雅勇による歌詞は力作で、坂本龍一によるメロディーラインも大変秀逸なものだと思います。半端な作品に付けられるタイトルではないので、トータルで水面下ではかなり頑張っているように思いますが、変に力んでいる感じもなく、結構サラッと聴ける仕上がり。でも濃密。みたいな。
もう結構長いこと聴いてきましたが、いつ聴いてもフレッシュな魅力のある聴き飽きない楽曲です。

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