【今日の1曲】dip – Love to Sleep

昨日に引き続き、日本のロックバンドの楽曲を紹介します。
1995年に発表されたdip(ディップ)の3ndアルバム『Love to Sleep』の表題曲。

dip “Love to Sleep”
dip – Love to Sleep

ユル名曲。

10年振りくらいに聴いたけどやっぱり良いですね。

ボイストレーニングとか絶対してないであろう、普段から喉を作ったりとか歌い込んだりとかはしてなさそうな、仮にしていてもそうは聴こえない、やや適当風なヤマジカズヒデのボーカル。この不安定さが逆に良いとは思わないけれど、別にマイナスにもならない感じ。元々の声質がなかなかに色っぽい。ちょーっとだけヴィジュアル系歌唱ぽいと言えばぽい。

音楽評論家の小野島大が2013年にdipについて書いた「『underwater』『9souls』によせて」というテキストをみつけたのですが、冒頭部分、「あーすごいわかる」と思ったので、以下引用。

どうにももどかしい。
ぼくにとってdipのヤマジカズヒデとは、長い間そういう存在だった。ありあまる才能を持ちながら、それを活かしきれない。周囲の期待や願望にあえて背を向けるような、どこか投げやりで、虚無的なたたずまい。

http://littlemore.co.jp/records/dip/dip_text.htmlより

ほんとそんな感じ。

ギタリストとしてのヤマジカズヒデは国内どころか、世界的にも稀な「聴き手の感覚にダイレクトに来る」ギターを弾く人だと思っていて、それは今も変わらないのですが、いかんせん曲やボーカルがとっ散らかっているか、小さくまとまってしまったりでポテンシャルがフルに発揮出来ていない印象がある。
サイト始めて約3ヵ月半、未だ1枚も紹介していませんが、一応「日本の名盤100枚」を選ぶというのがコンセプトなので、dipも(前身のDIP THE FLAGやヤマジカズヒデソロ含め)アルバム全部聴き直しプラスここ数年のものを初めて聴きましたが、印象変わらず。
この曲が一番良いと思います。

2014年に同時リリースしたアルバム『HOWL』と『OWL』のジャケットは、アメリカのバンドMercury Rev(マーキュリー・レヴ)の2008年こちらも同時リリース作『Snowflake Midnight(スノーフレイク・ミッドナイト)』と『Strange Attractor(ストレンジ・アトラクター)』を連想しましたが、いっそMercury Revのメンバーで、名プロデューサーでもあるDave Fridmann(デイヴ・フリッドマン)と一緒にやったりすれば良いような気がしました。日本でもNUMBER GIRL(ナンバーガール)との仕事は有名ですよね。

あとはNirvana(ニルヴァーナ)の『In Uteroイン・ユーテロ』等を手掛けたSteven Albini(スティーヴ・アルビニ)と組んで、ささくれだった攻撃的な部分に特化させるとか。

他にもう一人挙げるならば、それこそ故・佐久間正英と、メロウでダウナーな持ち味を活かしつつ、ポップな旨味をきっちり抽出したアルバムを1枚でもいいから作って欲しかったな。というのが正直な感想。

楽曲の話に戻って、約14分もある楽曲ですが、冒頭のピアノは映画『Betty Blue(ベティ・ブルー)』で使われていたフランスの作曲家Gabriel Yared(ガブリエル・ヤード)の「C’est Le Vent Betty」をサンプリングしたもの。そこから連結するように始まるギターの流麗さはやっぱりすこぶる良いし、歌メロも良いですね。5分くらいの所から出てくる丸みのあるギター&キーボード?のフレーズも効果的なアクセント。
長さを感じさせない、全編ユルいといえばユルいながら冴え渡った名曲。

Amazonのレビューで「日本人ミュージシャンが出した1曲で最高傑作」と書いている人がいますが、そういう人がいるのもまあわからなくはないです。

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