8/8【今日の1曲】哀しみのボート – 松田聖子

本日紹介するのは、1999年10月にリリースされた松田聖子の49枚目のシングル曲「哀しみのボート」。

3枚目のアルバム『Silhouette~シルエット~』から80年代の全盛期を支えた作詞家・松本隆が、11年年振りに作詞を手掛けた事で話題になった楽曲です。

その11年前、松本隆が最後に関わった作品と言えば1988年5月に発売された15枚目のアルバム『Citron(シトロン)』ですね。
個人的には正直そういうのはやらないで欲しかったなー。の代表みたいな曲「続・赤いスイートピー」が収録されている、デイヴィッド・フォスター(David Foster)が手掛けたあのアルバムです。

全米進出を視野に入れてのサウンド面の人選だったことは知っていますが、上手く行っていた時はあんなに機能していたのに、こうも機能しなくなるものか、という感想は今回久々に聴き直しても変わりませんでした(本作を愛聴している人にはごめんなさい)。

数曲の佳曲は存在するものの、全体的にビミョーで、人気曲の「抱いて…」にしてもメロディーは良いものの、もう少しだけ歌詞どうにかならなかったものか?という印象がずっとあります。

ネガティブな話から入りましたが、その『Citron(シトロン)』以来の松本隆作詞曲、これが久しぶりに「これぞまさに松田聖子」という楽曲でした。薬師丸ひろ子に提供した「Woman〜Wの悲劇より」にもどことなく通じるような雰囲気があります。「哀しみのボート」の方が比較的シンプルな印象になりますが。
作曲は大久保薫という人で、松田聖子に提供した楽曲は今のところこの1曲のみ。普段は主にモーニング娘。をはじめとする「ハロー!プロジェクト」関連のアイドル楽曲の編曲やプログラミング、アニソンの作編曲等を手掛けている人です。参加の経緯は不明ですが、このメロディーラインも「これぞまさに」。岡本更輝による過不足のないシンプルな編曲も良いです。

https://www.youtube.com/watch?v=E3BGa3YMcKY
哀しみのボート – 松田聖子

この楽曲は同年1999年に発表された、通算32枚目のオリジナルアルバム『永遠の少女』にも3曲目に収録されていて、続いてアルバムの4曲目には、松田聖子の名曲の数々を手掛け1997年6月に亡くなった音楽家・大村雅朗(昨日紹介の大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」の編曲もこの人)が生前残した楽曲「櫻の園」が収録されています。

この11年振りの仕事のオファーを受けるに当たって、松本隆が出した条件があったそうで、以下Wikipediaから引用します。

「櫻の園」は、親交の深かった作詞家の松本隆により、大村の死を悼むような詞が付けられた。この曲は、松本から依頼されて作った大村の楽曲が事情によりお蔵入りとなり、綺麗なメロディなのでいつか使いたいと松本が預かっていた曲であった。その後、大村は逝去してしまい、「聖子さんが歌ってくれたら彼も喜んでくれるだろう」と、この曲を世に出すことを条件に松田聖子のアルバムの仕事を受けたと、死後に発売された大村の伝記本で松本により明かされている。

Wikipediaより

そしてこの楽曲の録音時のエピソードも印象的なのでこちらも引用。

プロデューサーの意向から、松田自身にはあえて作曲者を告げずにレコーディングを始めたが、何度か通しで練習する内に歌詞の内容から感づいてしまったという。そのまま録り始めたものの、1コーラス目を越えた辺りで感情が抑えきれなくなり、号泣して歌えなくなってしまった。結局、事情を説明した後、30分ほど1人になる時間を与えてから収録が再開された。

Wikipediaより

もう一つ、松田聖子と大村雅朗の関係がよくわかるエピソードがあるのでこちらも。

同郷の松田聖子は「まーくん」と呼んで実兄のように慕っており、彼女のデビュー当時から良き相談相手として信頼されていた。人気絶頂期であった彼女がとある理由で親と喧嘩をして家を飛び出したことがあり、あてもなく向かった先は大村の自宅だったという。突然の訪問に彼も困惑したが、あらぬ噂を立てられ大事になりかねない状況であり、すぐに両親に連絡して送り返したという逸話がある。

Wikipediaより

なお、昨年2018年の2月には、大村雅朗が携わった松田聖子の楽曲を選りすぐったベストアルバム『SEIKO MEMORIES ~Masaaki Omura Works~』が発売され、ボーナストラックとして大村雅朗を敬愛する槇原敬之がリアレンジをした「桜の園」が収録されています。

リアレンジバージョンを聴いた時「ああ、なるほどー」と思いました。何が「なるほど」なんだという意味のわからない感想ですが、興味が湧いた方は聴き比べてみてください。Apple Musicには両方ありました。

「哀しみのボート」より「櫻の園」についての文字数の方が多くなっちゃいましたねー。

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