8/3【今週の2曲】2曲のアニソン

先月の6月18日、京都アニメーションで起きた凄惨な放火事件は、たった一人の悪意と乱心によるガソリンの放散と着火という、言うなればそれだけの行動で35人もの命が奪われてしまったという事実に、命の儚さを突き付けられるばかりです。

筆者はアニメに関して詳しくなく、「京アニ」という略称も今回の事件で初めて認識したくらいなので、事件について何かを述べてよいものか思案しましたが、前々から【今週の3曲】という企画でアニメソングを取り上げるつもりでおり、今回紹介する楽曲2曲ともう1曲を事件前に選曲していたことと、今後もアニメソングやアニメ関連の音楽を取り上げる際に、本件に触れずにいるのは不自然だと思ったこと、同じ社会で生きる一人として考えなくてはならないことだという思いから、予定を一部変更(具体的には、少し場違いになりかねない1曲を別の機会に紹介することにして、残りの2曲のみの紹介と)し、書くことにします。

まずは1曲目に紹介します「もってけ!セーラーふく」。
京都アニメーションの作品『らき☆すた』のオープニング曲で2007年に発表されたもの。

らき☆すたOP「もってけ!セーラーふく」(歌詞字幕つき)
らき☆すたOP「もってけ!セーラーふく」

アニメオタクの人の定番言動のひとつにある(と思う)、特有のなんだか凄いテンション高い感じを見事作品化した竜巻のような楽曲。
打ち込みだと思いますが、このファンキーなベースラインのグルーヴがただ事ではなく、変態的という点でSquarepusher(スクエアプッシャー)というイギリスのテクノミュージシャンに近いものを感じます。さらにキャッチーな歌メロに独自性の高過ぎる歌詞。
良い音楽、凄い音楽を追い求めるにあたり、無差別に様々なジャンルを聴いてきたつもりでおりましたが、この曲を契機に定期的にアニソン周りのチェックを強化するようになりました。ただ、ここまでぶっちぎった、言うなればハイパーミュージックにはその後出会えていません。
事件の犠牲者35人の中の10人の氏名が昨日公表され、『らき☆すた』を手掛けた武本康弘監督も含まれていたそうです。

被害に遭われ亡くなられた方々の冥福と、未だ治療中の方々の恢復、ご遺族の方のケアが適切になされることを祈ります。

今回の事件に限らず、事件を起こす人について少し考えを述べますと、多分に人というのは簡単に思い詰めてしまうものです。
今年5月28日に川崎市登戸で発生した通り魔事件の犯人について、ダウンタウンの松本人志が発言して賛否が別れた、集団の中でどうしても一定の確率で発生してしまう「不良品」。ということもわからなくはないのですが、一旦それは結果論という事で、まずはそういう極端な行動に出る人を出さない為にも、出来るだけ誰もが疎外されない思い遣りのある社会を作ること、具体的には学校や職場、地域で孤立している人への声掛け、一人じゃないという支え合いが大事なのだと思います。どうしても外向きに人と接することが苦手な人や、表向き平気そうでも何かを抱え込んでいる人への、何気無いほんの一言の気配りで、救われる気持ちというものもあるはずです。
ただこういう世の中なので、良かれと思ってのそれが切っ掛けとなってのトラブルや依存等の可能性もあるのが恐いところですが、そんなことを言い出したら対人全てがリスク含みになってしまうので、能動的に人に優しくするまでは行かなくとも、少なくとも人に悪意を持って接しない、意地の悪いことをしない、ある程度の多様性を尊重する。当たり前の話ですが、そういう当たり前のことが出来ているかどうかを改めて考えることが、社会を構成する我々一人一人にとって大切なのだと思います。

もちろんそれで今回の事件が防げたかどうかは分からないですし、もう起きてしまったことは取り返しがつきません。
失われたものがあまりにも多過ぎる。
事件を受けて今後ガソリンの購入時の規制が厳しくなるとは思いますが、それ以外で個々人が何を出来るのかを考えても、こういう基本的な道徳のような事以外何も言えません。

視点を変えて、どうしようもなく孤立した状態にいる人に何か言えるとすれば、古くから本物の芸術作品の多くはそういった孤独な魂から発せられたものであり、時に誰かの孤独に共鳴し、寄り添い、逆境の苦しみを緩和してくれることもあるはずです。

社会的な苦しみであれば然るべき窓口に相談する。そうでない精神的な苦しみであれば、専門的な医者にかかるのも手ですが、沢山の先人達が残した文学や音楽、映画やアニメーション、漫画等に触れることも救いになり得ます。
人間が悩む大体のパターンは既に作品として形になっている。
まだ知らない特別な出会いを求めてみるのも良いのではないでしょうか。

この流れで紹介して良いのか、もう今日は1曲だけにした方が良いのではないか?と迷いもありますが、もう1曲のアニメソングを紹介します。

【フルーツバスケット】 For フルーツバスケット Full Ver
岡崎律子 – For フルーツバスケット

2001年にテレビ東京系列にて放送されたアニメ『フルーツバスケット』のオープニング曲で、今は亡き岡崎律子というシンガーソングライターが2001年に発表した8thシングル曲です。アニメ制作は老舗のスタジオディーンによるもの。

岡崎律子は2004年に44歳の若さで亡くなっているのですが、その晩年についてWikiの記載を引用します。

2004年5月5日に敗血症性ショックのため死去。44歳没。
その死後、2003年春にスキルス胃がんを発病して、闘病生活を送りつつ創作活動を続けていたことが明らかになった。交流のあった芸能関係者以外では一部の例外を除き、親族の意向により墓所は一般公表されていない。遺作となった『for RITZ』は制作途中であったが、哀悼の意味から発表時にタイトルが変更された。同アルバムには、本番収録が間に合わずテスト状態で収録された曲もある。

Wikipediaより

2004年に発表された、7thアルバムで遺作でもある『for RITZ』の最後にもこの楽曲が収録されています。
時系列で見ればがん発症前の録音になるはずですが、この曲の異様な力強さというのは尋常ではなく、何か命がけのような凄みが確かにあるように思います。
シングル発売後にリリースされた2003年の6thアルバムには何故か収録されず、生前、7枚目のアルバムに収録したいとスタッフに語っていたそうです。

アメリカの歌手、Eva Cassidy(エヴァ・キャシディ)がカバーしたSting(スティング)の名曲「Fields of Gold(フィールズ・オブ・ゴールド)」の名唱にも通じるものがあるように思いますが、Eva Cassidyも1996年に33歳という若さでがんで亡くなっています。
この人については明日紹介させてください。

こんな凄まじい楽曲があまり知られていないのは残念なことで、岡崎律子のこの曲は全音楽ファンが必ず聴くべき1曲。

本日はタイプは違えどちらも行くところまで行ってしまったと言って過言ではない、2曲のアニメ関連の楽曲を紹介させていただきました。
途中社会的な問題についても私見を述べましたが、このような文章は全く書き慣れておらず、気を付けたつもりではありますが、何か失礼や適切ではない言葉選びがありましたら、申し訳ありませんがご指摘ください。

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