【今週の3曲】レイ・ハラカミの3曲

2011年7月27日、脳出血のため40歳で急死した音楽家、レイ・ハラカミ。

その訃報に接した時、驚きと共に、正直に書きますが、どこかで納得してしまうところがありました。

伝説化した過去のロッカーやジャズメンよろしく、不摂生で不健康な感じとか、そういうところはなく、むしろ外見的にはいかにもな線の細い感じとは真逆の、おおらかそうな雰囲気の人で、インタビューを読んでも快活な印象でした。が、その音楽の純度や彼岸を漂うような感覚は「これ以上は危険」と言いますか、もっとはっきり言いますと「これ以上はない」ようにも思えたからです。

突然に現れては、突然に去って行った、一瞬の星の瞬きのような稀有な音楽家が残した作品から、本日は3曲を紹介します。

まずは細野晴臣のカバー曲「終わりの季節」。
昨日紹介した「薔薇と野獣」と同じく、1973年のソロデビュー作『HOSONO HOUSE』に収録された楽曲。
レイ・ハラカミのカバーバージョンは、ソロ作品としては4枚目で生前最後のオリジナルフルアルバムになった『lust』(2006年作)の5曲目に収録。表記は「owari no kisetsu」。

レイ・ハラカミ自身による歌唱はこれが最初。
カバーというよりも新しいオリジナル。という印象。

Rei Harakami – "Owari no Kisetsu"
Rei Harakami – owari no kisetsu

次に紹介するのは、出世作となった2001年の3rdアルバム『Red Curb』より「The Backstroke」。
個人的には『lust』の表題曲が一押しですが、未聴の方に紹介するのであればキャッチーさでこれかな?と思い選びました。
Backstrokeは背泳ぎやテニス等のスポーツでの逆手打ちを意味しますが、レイ・ハラカミの音楽の特徴として多用される、逆回転音のイメージを重ねたタイトル?

Rei Harakami – The Backstroke
Rei Harakami – The Backstroke

最後に、2002年に発表された、UAが初めて自身で作曲した楽曲「閃光」。こちらシングルのバージョンをレイ・ハラカミが共同プロデュースしており、UAの中でも異色作かつ唯一無二の楽曲。
紹介するのは、そのカップリングとして収録された「閃光(Instrumental / Rei Harakami Original Mix)」。
聴けばわかりますが、ボーカルは入っておらず(多分UAの作曲というのはボーカルの歌メロのみ?もしくはそれプラス最低限のコードまでではないかと思う。違っていたらごめんなさい)、ほぼレイ・ハラカミ作品。
他のミュージシャンのリミックス作品で、より浮かび上がるレイハラカミの特徴として、主旋律をただサポートする伴奏ではなく、それ自体がとても有機的に展開してゆくことが挙げられると思いますが、その主旋律に対するアプローチが「編曲」というよりも「作曲」そのもののような印象を受けます。
なので、ほぼレイ・ハラカミ作品とは書きましたが、リアクションによって作られたレイ・ハラカミ作品。が、適当か。しかしこれはまさに職人技という感じがします。ただの職人技ではなくて霊性を伴ったような。

UA – SENKO (Rei Harakami Original Mix)
UA – 閃光(Instrumental / Rei Harakami Original Mix)

今回記事を書くにあたり、YouTubeでレイ・ハラカミ音源をざっと探していた際に見かけたコメントに、「日本語を音の形に現した表現」というコメントがあり、なるほどそれは言い得て妙だと思いました。
前々からよく形容されていた、「電子音を使った水墨画」と合わせると、よりイメージが近付くかな?と想像してみましたが、合わせるとどうも違う気がする。結局音は音であり、言葉で言い表す必要というのはそもそもないのかも知れません。

「得体の知れないものを形にする」ということで、まさしくアーティスト、と呼べる人だったように思います。

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