今日の1曲 冨田ラボ / 眠りの森 feat. ハナレグミ

1997年キリンジの登場は驚きでした。
ボーカルがほんの少し頼りないものの、それを補って余りある魅力的な詞曲と、ポップ・ミュージックの究極系の一つと言っても過言では無い、スティーリー・ダンの影響を受けながら、無理なく詞曲と一体化しているアレンジ。
それは角松敏生が大傑作『ALL IS VANITY』(1991年作)でやった鬼気迫るようなテンションのものとは違ったアプローチで、全体的にやわらかく丁寧な印象のものでした。「これはすごい人達が出てきたぞ」と思ったものです。

そのアレンジを手がけていたのが本日紹介する冨田恵一で、2000年には現在でもTVCMで流れていたりするキリンジの「エイリアンズ」や、MISIAの「Everything」、2001年には中島美嘉のデビュー曲「STARS」も手掛けています。

そんな冨田恵一が2003年に自身のセルフプロジェクトとして始めた「冨田ラボ」(Tomita Lab)。その1stアルバム『Shipbuilding』に収録されていたのが、本日紹介します「眠りの森 feat. ハナレグミ」です。(ここまでだいぶ長くなってしまった…)

冨田ラボ – 眠りの森 feat. ハナレグミ
冨田ラボ / 眠りの森 feat. ハナレグミ

眠りの世界というのは不思議なもので、現実という各自の認識から離れて違う世界へと入っていく訳ですが、その微睡にいる人とそれを隣で現実の世界から見ている人の時間をふんわり切り取った素敵な楽曲です。今くらいの季節にちょうど良い感じがします。

作詞は松本隆。この人について書き出すと長くなるのでそれはまた別の機会にするとして、本作で特に良いなと思う部分を挙げると、上段で述べました状況設定の上に「流星雨の音が響いている」という、夢の世界とも現実ともどちらともつかないフレーズで締めているところです。

この曲の歌詞は先日紹介しました薬師丸ひろ子の「Woman”Wの悲劇”より」(こちらも作詞・松本隆)とも「横たわり、星が降る」「横たわって、流星雨の音」とで通じるものがありますね。眠り顔を見ているシチュエーションも同じで男女が逆。こうやって併せて読んでみるとなかなか興味深いです。

フューチャリングされたボーカリストは「ハナレグミ」こと元SUPER BUTTER DOGの永積タカシで、ほんわかした歌声は実に見事なキャスティングだと思います。

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